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万葉歌手、辻友子のブログへようこそ! http://tomoko.ciao.jp
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★ やまのへの みゐをみがりて かみかぜの いせをとめども あいみつるかも

★ 山の辺の聖水を見ながら、神風の吹く伊勢の聖処女とも、出会うことができたことだ

                                                    巻1-81

伊勢神宮の斎宮は特別な処女でなければなりません。

大津皇子の姉も斎宮でした。

霊感が強く、男性との交わりのない処女でなければいけないのです。

中々、人目に触れることもない存在であった事でしょう。

山の辺の聖水を眺めていたら、伊勢の処女(おとめ)たちと、出会うことが出来た。

清々しい気持ちになり、今の言葉で言えば、縁起がいい、何か良い事が起こりそうなかんじでしょうか・・・・・


 

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★ うらさぶる こころさまねし ひさかたの あめのしぐれの ながらふみれば

★ 寂しい思いが胸一杯に広がって行く、どこまでも続く雨の降るのを見ていると・・・

                                                  巻1-82


「うら」とは心の事をいいます。「うら」が「さぶる」・・・寂しい思い・・・

どこまでも降り続く冷たい雨・・・それに、人生を、心を映して・・・

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★わたのそこ おきつしらなみ たつたやま いつかこえなむ いもがあたりみむ

★ 海の底奥深いところから、白波の立つのが見える立田山、いつこの山を越えるだろうか?

   愛しい妻の居る所を早く見たいものだ

                                                巻1-83


海の底奥深く・・・というもは、早く山を越えて妻に会いたい気持ちの深さを表しています。

おきつ・・の、つ、  たつたやまの、つ、 いつかの、つ、つを三回重ねています。

つ、という言葉にどのような意味が込められているのか、私には分かりませんが、

つ、を三回重ねる事によって、気持ちの高まりが表されているように感じます。

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★ あきさらば いまのみるごと つまこひに かなかむやまそ たかのはらのうへ

★ 秋になると、 必ず決まって妻恋ひの鹿の鳴く声がひびく山です。この高野原の上は・・・

                                                 巻1-84


私も、都会暮らしが息苦しくなることの多い人間ですが、万葉の人々の自然への思いは、

思いというよりは、一体化しているような表現がそこかしこに見られます。

鹿の鳴声に、自分の思いを重ねる・・・立つ波の深さに、自分の深い心を重ねる・・・・

風に、雲に、山に・・・・万葉びとたちは、自然とともに生き、自然の一部である事を、

当たり前のこととして受け入れている・・・だから、亡くなっても、自然に帰る・・・雲隠れする・・

山になる・・・と、感じられるのでしょう。

これからますます、万葉びとの、感性に近づいていきたいと思います。

巻1は、これで、終わります。

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長歌

★ 天皇の 御命かしこみ 柔びにし 家をおき 隠国の 泊瀬の川に 舟浮けて 

  わが行く河の 川隈の 八十隈おちず 万旅 かへり見しつつ 玉桙の 道行き暮らし

  あをによし 奈良の都の 佐保川に い行き至りて わが宿たる 衣の上ゆ 朝月夜

  さやかに見れば ?の穂に 夜の霜降り 磐床と 川の氷凝り 寒き夜を いこふことなく

  通ひつつ 作れる家に 千代にまで 来ませ大君よ われも通はむ


★ おほきみの みことかしこみ にきびにし いえをおき こもりくの はつせのかわの 

   ふねうけて わがいくかわの かはくまの やそくまおちず よろづたび  かへりみしつつ

   たまほこの みちいきくらし あをによし ならのみやこの さほがわに いいきいたりて

   わがねたる ころものうえゆ あさづくよ さやかにみれば たへのほに よるのしもふり

   いはとこと かわのひこごり さむきよを いこふことなく かよひつつ つくれるいえに

   ちよにまで きませおおきみよ われもかよはむ 

★ 大君のご命令をかしこんで、慣れ親しんだ家を後にして、隠れ国の泊瀬から流れる川に、

  舟を浮べ、私は奈良へと川を下って行く。

  その川の幾つもの曲がり角ごとに、ふるさとを、振り返り振り返りしながら、玉桙の道のりを

  辿り、青々と美しい奈良の都の佐保川に到着する。

  野宿する私の衣を通して、朝の月の光に清らかに、一面に、真っ白な霜が輝き、川面は

  氷が張り詰めている。

  寒い夜を、安らぐことなく、通ってきて、出来た家に  大君様、千年の後までお住みください。

  私も 通ってまいりましょう。

                                                   巻1-79


反歌

■  あをによし 寧楽の家には 万代に われも通はむ 忘ると思ふな

■  あをによし  ならのいえには よろづよに われもかよはむ わするとおもふな

■  青々と美しい奈良の家に、万代までも 通ってまいりましょう。

   忘れるなどとは思わないでください

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