忍者ブログ
万葉歌手、辻友子のブログへようこそ! http://tomoko.ciao.jp
[1039]  [1040]  [1041]  [1042]  [1043]  [1044]  [1045]  [1046]  [1047]  [1048]  [1049
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

PR

★ やまとには なきてかくらむ よぶこどり きさのなかやま よびそこゆなる

★ 大和では、今頃かっこうが鳴いて来ているだろうか?

   象の山を、私の心を映すがごとく人を呼ぶように鳴いて渡っていくことだ

                                          高市黒人   巻1-70


■ 大和恋ひ 眠の寝らえぬに 情なく この渚崎廻に 鶴鳴くべしや


■ やまとこひ いのねらえぬに こころなく このすさきみに たづなくべしや

■ 妻のいる大和を恋慕って、まんじりともせずに夜を過ごしている私に、渚崎の周りを

  いたずらに鶴が鳴きながら飛んでいる・・・ますます、家への思慕が高まる事だ・・・

                                            巻1-71

旅がテーマの歌が並びました。

旅というのは、じっくりと人生を考えさせてくれるものですね・・・現代の旅は、娯楽が主の旅が

多いですが・・・それでも、我が家を離れて、空気や水の違う場所で過ごすことは、家をそして、

家族や・・・愛しい人の大切さを感じさせてくれます。

旅→家→妻・・・・万葉の旅はこれに尽きるようです。

電気もない、長い夜を旅先で・・・鳥の鳴声を聞きながら過ごす・・・家に残した妻を思って・・・

鳥の鳴声は、家に通じるものと考えられていたようです。

鳥の鳴声に、自分の思いを託したのでしょうね・・・

拍手[0回]

★ ひとひには ちたびまいりし ひむかしの おおきみかどを いりかてぬかも

★ 一日に何度となく参上した東の大門も、今は入る事も出来なくなってしまったことです

                                       巻2-186  宮の舎人

日並皇子(草壁皇子)がお亡くなりになられて、柿本人麻呂の、「心傷みて作れる歌」と

「宮の舎人」の歌が23首続いています。

上記で16首目になります。

だんだんと、思いが少しずつ変化して行くのが、歌からわかります・・・・

拍手[0回]

★ おおともの たかしのはまの まつがねを まくらきぬれど いえししのはゆ

★ 大伴の高師の浜の、松の根元を枕にして寝ているのだけれども、家の事が恋しくてならない


旅→家→妻→恋しい  これに尽きるようです。

旅の枕詞は、草枕・・・・今のようにホテルも旅館もありませんから、草を枕にして眠る

でも、家では・・・妻の手枕・・・・この対比が、万葉の旅では度々取り上げられます。

でも・・・私は思う・・・妻の手枕より膝枕でしょって・・・まぁ、象徴・比喩ということかしら・・・

拍手[0回]

★  たびにして ものこほしきに (  )ねも  きこえずありせば こひてしなまし

★  旅を続けて (  )鳴声も聞こえなかったならば、私は家恋しさに 死んでしまうだろう           

                                                巻1-67

(  )は原本にも欠落しているそうだ。何かの鳥の鳴声という事・・・なんという鳥だろう・・

鳥は我が家に通じるものと考えられていたとか・・・・

鳴声は、鶴説が有力らしい

拍手[0回]

★ おおともの みつのはまにある わすれがい いえにあるいもを わすれておもへや

★ 大伴の御津の浜辺にある忘れ貝よ・・・恋を忘れると伝えられているけれど、

   家に居る妻の事を忘れる事があろうか・・・そんなことは、全くない・・・

                                             巻1-68

★ 草枕 旅行く君と 知らませば 岸の埴生に にほはさましを

★ くさまくら たびいくきみと しらませば きしのはにふを にほはさましを

★ 草を枕として旅寝をするあなたと、知っておりましたら この岸の黄土で、

   あなたをお包みもうしあげましたのに・・・・

                                            巻1-69

草を枕に対して、黄土は妻の居る土地の土の事・・草を枕にするにぐらいなら、私のいる

この場所の土で彩ってあげたい・・・という思いですね・・・


旅して、愛する妻と離れ離れになってしまう・・・・これが、最も辛い事です・・

でも、だからこそ、万葉の人は深く自分の思いについて考える力を持っていたのでしょう。

考えることなく、あらゆる情報が飛び込んでくる現代は、

日本人が本来持つ素晴らしい心性を、駄目にしてしまっているのかもしれませんね。

拍手[0回]

カレンダー
07 2025/08 09
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31
ブログ内検索
プロフィール
HN:
辻友子
性別:
女性
自己紹介:
万葉を歌う歌手、辻友子のブログ。くわしくはホームページを!
Copyright © 万葉歌手辻友子 All Rights Reserved.
Designed by 10p
Powered by Ninja Blog

忍者ブログ [PR]