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★ おおともの みつのはまにある わすれがい いえにあるいもを わすれておもへや
★ 大伴の御津の浜辺にある忘れ貝よ・・・恋を忘れると伝えられているけれど、
家に居る妻の事を忘れる事があろうか・・・そんなことは、全くない・・・
巻1-68
★ 草枕 旅行く君と 知らませば 岸の埴生に にほはさましを
★ くさまくら たびいくきみと しらませば きしのはにふを にほはさましを
★ 草を枕として旅寝をするあなたと、知っておりましたら この岸の黄土で、
あなたをお包みもうしあげましたのに・・・・
巻1-69
草を枕に対して、黄土は妻の居る土地の土の事・・草を枕にするにぐらいなら、私のいる
この場所の土で彩ってあげたい・・・という思いですね・・・
旅して、愛する妻と離れ離れになってしまう・・・・これが、最も辛い事です・・
でも、だからこそ、万葉の人は深く自分の思いについて考える力を持っていたのでしょう。
考えることなく、あらゆる情報が飛び込んでくる現代は、
日本人が本来持つ素晴らしい心性を、駄目にしてしまっているのかもしれませんね。