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長歌
★ 天皇の 御命かしこみ 柔びにし 家をおき 隠国の 泊瀬の川に 舟浮けて
わが行く河の 川隈の 八十隈おちず 万旅 かへり見しつつ 玉桙の 道行き暮らし
あをによし 奈良の都の 佐保川に い行き至りて わが宿たる 衣の上ゆ 朝月夜
さやかに見れば ?の穂に 夜の霜降り 磐床と 川の氷凝り 寒き夜を いこふことなく
通ひつつ 作れる家に 千代にまで 来ませ大君よ われも通はむ
★ おほきみの みことかしこみ にきびにし いえをおき こもりくの はつせのかわの
ふねうけて わがいくかわの かはくまの やそくまおちず よろづたび かへりみしつつ
たまほこの みちいきくらし あをによし ならのみやこの さほがわに いいきいたりて
わがねたる ころものうえゆ あさづくよ さやかにみれば たへのほに よるのしもふり
いはとこと かわのひこごり さむきよを いこふことなく かよひつつ つくれるいえに
ちよにまで きませおおきみよ われもかよはむ
★ 大君のご命令をかしこんで、慣れ親しんだ家を後にして、隠れ国の泊瀬から流れる川に、
舟を浮べ、私は奈良へと川を下って行く。
その川の幾つもの曲がり角ごとに、ふるさとを、振り返り振り返りしながら、玉桙の道のりを
辿り、青々と美しい奈良の都の佐保川に到着する。
野宿する私の衣を通して、朝の月の光に清らかに、一面に、真っ白な霜が輝き、川面は
氷が張り詰めている。
寒い夜を、安らぐことなく、通ってきて、出来た家に 大君様、千年の後までお住みください。
私も 通ってまいりましょう。
巻1-79
反歌
■ あをによし 寧楽の家には 万代に われも通はむ 忘ると思ふな
■ あをによし ならのいえには よろづよに われもかよはむ わするとおもふな
■ 青々と美しい奈良の家に、万代までも 通ってまいりましょう。
忘れるなどとは思わないでください