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万葉歌手、辻友子のブログへようこそ! http://tomoko.ciao.jp
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(長歌)

越の海の 角鹿の浜ゆ 大船に 真梶貫きおろし いさなとり 海路に出でて あへきつつ

わが漕ぎ行けば 丈夫の 手結が浦に 海未通女 塩焼くけぶり 草枕 旅にしあれば 独りして

見る験無み 海神の 手に巻かしたる 玉襷 懸けて偲ひつ 大和島根を


★ こしのうみの つのがのはまゆ おほふねに まかぢぬきおろし いさなとり うなぢにいでて

  あへきつつ わがこぎゆけば ますらおの たゆひがうらに あまをとめ しほやくけぶり

  くさまくら たびにしあれば ひとりして みるしるしなみ わたつみの てにまかしたる

  たまだすき かけてしのひつ やまとしまねを


★ 越の海の角鹿の浜から、大船の両舷に梶を貫き通して、鯨を獲るという海に出て、

  息も荒く、私が漕いでゆくと、立派な男子が着けるというたゆい・・・その手結が浦に、

  あまおとめらが、塩を焼いている煙が立っている・・・しかし、わたしは草を枕の旅をして

  いる身、独りで見てもなんともつまらないし、海神の手に巻いているという玉のような

  襷を懸けるように、心を懸けて思ったことです・・・故郷の大和の国を・・・

                            巻3-366    笠朝臣金村
塩津山 うち越え行けば 我が乗れる 馬そ爪づく 家恋ふらしも
お友やん (2010年5月16日 21:12) | コメント(0) | トラックバック(0)

★ しほつやま うちこえゆけば あがのれる うまそつまづく いへこふらしも

★ 塩津山を越えて行くと、私が乗っている馬がつまづく・・・・妻が行かないで欲しい・・・と

  思っているのだろう・・・・。

                               巻3-365 笠朝臣金村(かさのあそみかなむら)

旅の途中で馬がつまづく・・・あまり良い事ではない・・・それを、妻が自分を恋慕っていると解釈する

・・・まぁ、なんでも良く解釈した方が良いけれど・・・この場合どうでしょうね。やりすぎ??

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(反歌)

★ こしのうみの たゆひがうらを たびにして みればともしみ やまとしのひつ

★ 越の海のたゆいがうらを旅をして、美しい風景を眺めれば、妻にこの風景を見せて

  やりたいと、 遥か遠い我が故郷・・・大和の国を思うことです。

                            巻3-367   笠朝臣金村

ともしい・・・て、なんだかステキな言葉ですよね・・・相手がいなくて、その欠落の思い・・・

の事・・・さみしいではなくて、ともしい・・・さみしみ、さみしさ、ともしみ、ともしさ・・・・

共にいるはずの相手がいない・・・ともしい・・・

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★ しおひなば たまもかりつめ いえのいもが はまづとこはば なにをしめさむ

★ 潮が引いたら、美しい海藻を集めなさい。家の妻が、浜土産をと乞うたら、何も持って

  返る物がないから・・・・

                         巻3-360     山部赤人

昆布は、北海道の浜では今もこうして集めるとか・・・・・私はだしはきっちりとるタイプだから

昆布をいつも、北海道出身のテラの会会長から頂いている。都会では昆布は高価なものだから

とても助かります。ありがとうございます。

昆布取りは、今も昔も変わらない貴重な風景の一つかもしれませんね。

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★ あきかぜの さむきあさけを さぬのおか こゆらむきみに きぬかさましを

★ 秋風の吹く寒い朝明けの中を、佐農の丘を越えて居るだろうあなたに、何か暖かい衣を

  お貸ししたいことです。

                    巻3-361   山部赤人

この時代は男が女の元へ通うのが普通でした。夜明けとともに、男は帰っていきます。

情事の後・・・夫婦・・・恋人・・・・きぬぎぬの分かれはさぞ辛かった事でしょうね・・・・・

だから余計に恋しくなります。



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★ みさごゐる いそみにおふる なのりその なはのらしてよ おやはしるとも

★ みさごの居る、磯の岩場に生える(なのりそ)ではないけれど、名を告げてください・・・

   親に知られても・・・・

                         巻3-362   山部赤人

その昔、万葉の時代では、男性が名を告げて求婚した時に、女性が名を言い返す事は、

男性の愛を受け入れることでした。親は、厳しく目を光らせていたので、歌の中では、親に知られ

てもよいではないですか・・・・と歌っています。名を知ることは、相手の呪的支配を可能にすると

言われていたようです。言霊の力を信じる日本ならではのお話ですね・・・・

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