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万葉歌手、辻友子のブログへようこそ! http://tomoko.ciao.jp
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★ いはしろの きしのまつがえ むすびけむ ひとはかえりて またみけむかも

★ 磐代の岸の松の枝を結んだ人は、帰ってきて無事にまた、見ることが出来たでしょうか・・


                       巻2-143  長忌寸意吉麿(ながのいみきおきまろ)


有間皇子の事件後32年が過ぎて、今の紀伊半島・・白浜を訪れた長忌寸意吉麿が、有間皇子を

偲んで詠んだ歌です。次の歌は、同じ作者の歌かも・・・ともいわれています。


■ 磐代の 野中に立てる 結び松 情も解けず 古思ほゆ 

■ いはしろの のなかにたてる むすびまつ こころもとけず いにしへおもほゆ

■ 磐代の野の中に立つ結び松よ・・・未だにその結び目のように心も解けることも無いで

  あろう・・・昔の事が思われることです

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★ あまがけり ありかよひつつ みらめども ひとこそしらね まつはしるらむ

★ 天空を翔けて有間皇子の魂は松の枝を見にきているだろうが、そんなことは

  人は知るよしもないであろう・・・松は知っているに違いない・・・

                                       巻2-145   山上臣憶良

■ 後見むと 君が結べる 磐代の 子松がうれを また見けむかも

■ のちみむと きみがむすべる いわしろの こまつがうれを またみけむかも

■ 後でまた見たいと思ってあなたの結んだ、磐代の若松の芽を、

  あなたはまた見たでしょうか・・・

                                       巻2-126  柿本朝臣人麻呂

有間皇子の事件の内容はみんな知っている訳で、

再び貴方は、結び松を見たであろうか?(見ているはずは無いのに)・・・と詠んだ歌が

多いのは、人は逝っても、魂は残ると考えた古代の人々の心情ゆえんだと思います。

亡くなった方へ思いを寄せる・・・・それだけでも、亡くなられた人の魂は慰められることも

みんな自然に知っていたことでしょう・・・


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★ あまのはら ふりさけみれば おほきみの みいのちはながく あまたらしたり

★ 広々とした空を、遠く見やると 大君の御命は、長く、天空に満ち満ちておられる

                                       巻2-147  倭大后

天智天皇が病に臥された時に大后が天皇の病の治癒を祈って詠まれた歌です。

命が空に満ちている・・・・何と素晴らしいことばでしょうか・・・・

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★ いはしろの はままつがえを ひきむすび まさきくあらば またかへりみむ

★ 磐代の浜松の枝を結び合わせて、もし幸運にも命あって帰る時があればまた、

  見ることができるだろう

                                     巻2-141  有間皇子

いよいよ、挽歌(死にまつわる歌)の登場です。

血統からいえば、有力な皇位継承権を持つ有間皇子が、

次期天皇の座を願う中大兄皇子の企みにまんまと引っかかってしまい、

19歳で絞首刑になるという、悲惨な事件の時に詠んだ歌です。


謀反の罪で、殺されるであろう自分の運命に対して、やはり生きたかったであろう思いが

強く感じられますね・・・

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★ あおごまの あがきをはやみ くもゐにそ いもがあたりを すぎてきにける

★ 白い毛並みの馬の足が速くて、雲居はるかに、妻の住んでいる家を

  行き過ぎてきてしまった事だ

                                           巻2-136  

官人のお役人が地方に移転して国庁に来たものの、帰り妻の住む里に寄れずに帰ってしまった

実際、馬の足が速すぎたわけではないと思います。何か急ぐ事情があったのでしょうが、

それを、馬の足の速さに例えたのでしょう。

妻が恋しい・・・・よいことですよね

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