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万葉歌手、辻友子のブログへようこそ! http://tomoko.ciao.jp
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★ やすみしし わごおおきみの おおみふね まちかこふらむ しがのからさき

★ あまねく国々をおさめておられるわが大君の御船を待ち恋うているのだろうか・・・・・・

   志賀の辛崎は

                                 巻2-152  舎人吉年(とねりのきね)


前2首と合わせて、天皇の大殯(おほあらき)の時の歌・・・・と、あります。

大殯(おほあらき)とは、遺体を棺に入れたまま、埋葬までの間、安置しておく事だそうです。

葬る以前の復活を祈る儀式と書いてあります。

何か意味がありそうですね・・・仮死状態で息を吹き返すこともあるかもという、現実的な話か・・・

魂が迷わないように納得するための時間なのか・・・どちらにしても、現世からみれば、

復活がありえると信じられていた期間のようです。

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★ ささなみの おおやまもりは たがためか やまにしめゆふ きみもあらなくに

★ ささ浪の天皇の御料地の山の番人は、誰のためにしめ縄を結っているのでしょうか・・・

  もう大君はお出でにならないというのに・・・・

                                  巻2-154 石川夫人(いしかはのぶにん)

天皇の妻妾の第3位は、夫人(ぶにん)と呼ばれます。今言う「夫人」では、ありません。

実際はどなたかはっきりとしていないようです。

尚、ここまでが、天智天皇の大殯(おほあらき)に詠まれた歌です。

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★ あをはたの こはたのうへを かよふとは めにはみれども ただにあはぬかも

★ 青々と樹木の繁る木旗山の上空を、天皇の御魂が行き来するのを

  目にははっきりと見えるのだけれどこの世では、直接にお会いする事は出来ません

                                     巻2-148  倭大后(やまとのひめみこ)

倭大后には、愛する天皇の御魂が「目にはっきりと見える」のですね・・・・・

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★ ひとはよし おもひやむとも たまかづら かげにみえつつ わすらえぬかも

★ たとえ、人がお慕いしないようになったとしても、私には天皇の面影が見え隠れして

   忘れる事などできません

                                  巻2-149  倭大后

天智天皇46歳で崩御の際の歌です。

玉蘰(たまかづら)・・・玉(たま)は霊(たま)であり魂(たま)であり、そして、美しく光るもの

とも思います・・・かづらはかげとも読み、次の影にみえつつに繋がります。

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★ いえにあれば けにもるいいを くさまくら たびにしあれば しいのはにもる

★ 家に居たのであれば、器に盛って、お供えをするだろうに、旅をしているので、椎の葉に

  盛って、神様にお供えをすることです。

                                   巻2-142  有間皇子

この歌は、前回の歌と続いて詠まれています。

今から死を迎えようとする人間であれば、自然に、祈りというものが、心情にでてくるのでは・・・・

自分が旅先で椎の葉に盛って食べること、妻への恋慕・・・という説もありますが、私はやはり

ただの旅ではない「死へと向かうための旅」に対する、祈りのためのお供えだと思います。

いかがでしょうか??勿論、そこには妻への恋慕があって当然でしょうが・・それだけではない

無念の思いが深ければ深いほど・・この歌は祈りの歌であると思います。




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