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★ 鶯の 卵の中に 霍公鳥 独り生まれて
己が父に 似ては鳴かず 己が母に
似ては鳴かず 卯の花の 咲きたる野辺ゆ
飛び翔り、来鳴き響もし 橘の 花を居散らし
終日に 鳴けど聞きよし 幣はせむ
遠くな行きそ 我が屋戸の 花橘に 住み渡れ鳥
★ うぐひすの かひごのなかに ほととぎす
ひとりうまれて ながちちに にてはなかず
ながははに にてはなかず
うのはなの さきたるのへゆ とびかけり
きなきとよもし たちばなの はなをゐちらし
ひねもすに なけどききよし まひはせむ
とおくなゆきそ わがやどの はなたちばなに
すみわたれとり
★ 鶯の卵の中に、ホトトギスが、一羽生まれて
自分の父である鶯には似た声では鳴かず
自分の母である鶯には似た声で鳴かず
卯の花が咲いている野辺を飛んで廻っては
きて、鳴き声を辺りに響かせて、橘の花を
散らして、終日鳴いているけれど、聞いていて
良いものだ。贈り物をしよう。遠くへは行くな
うちの庭の、橘の花に、住み続けよ・・・ホトトギスよ
巻9-1755 高橋虫麻呂
己が父に 似ては鳴かず 己が母に
似ては鳴かず 卯の花の 咲きたる野辺ゆ
飛び翔り、来鳴き響もし 橘の 花を居散らし
終日に 鳴けど聞きよし 幣はせむ
遠くな行きそ 我が屋戸の 花橘に 住み渡れ鳥
★ うぐひすの かひごのなかに ほととぎす
ひとりうまれて ながちちに にてはなかず
ながははに にてはなかず
うのはなの さきたるのへゆ とびかけり
きなきとよもし たちばなの はなをゐちらし
ひねもすに なけどききよし まひはせむ
とおくなゆきそ わがやどの はなたちばなに
すみわたれとり
★ 鶯の卵の中に、ホトトギスが、一羽生まれて
自分の父である鶯には似た声では鳴かず
自分の母である鶯には似た声で鳴かず
卯の花が咲いている野辺を飛んで廻っては
きて、鳴き声を辺りに響かせて、橘の花を
散らして、終日鳴いているけれど、聞いていて
良いものだ。贈り物をしよう。遠くへは行くな
うちの庭の、橘の花に、住み続けよ・・・ホトトギスよ
巻9-1755 高橋虫麻呂
★ 衣手 常陸国に 二並ぶ 筑波の山を
見まく欲り 君来ませりと 暑けくに
汗かきなけ 木の根取り うそぶき登り
峰の上を 君に見すれば 男の神も
許したまひ 女の神も ちはひたまひて
時となく 雲居雨降る 筑波嶺を
さやに照らして いふかりし 国のま秀らを
つばらかに 示したまへば うれしみと
紐の緒解きて 家のごと 解けてそ遊ぶ
うち靡く 春見ましゆは 夏草の 繁くはあれど
今日の楽しさ
★ ころもで ひたちのくにに ふたならぶ つくはのやまを
みまくほり きみきませりと あつけくに あせかきなけ
このねとり うそぶきのぼり をのうへを きみにみすれば
をのかみも ゆるしたまひ めのかみも ちはひたまひて
ときとなく くもゐあめふる つくはねを さやにてらして
いふかりし くにのまほらを つばらかに しめしたまへば
うれしみと ひものをときて いえのごと とけてそあそぶ
うちなびく はるみましゆは なつくさの しげくはあれど
けふのたのしさ
★ 衣の袖をひたす常陸の国に、二つ並ぶ、筑波の山を
見たくて、あなたがやって来たと、暑くて汗をかき、
木の根を手に取り、息をあえがせて上り、山頂を
あなたに見せると、男岳の神もお許しになり、女岳の神も
ご加護くださり、たえず、雲がかかり、雨が降る 筑波の
嶺をきよらかに照らして、十分に知ることの無かった、
国の秀でた景観を、詳しくお示しになったので、嬉しさと
衣の紐を解いて家にいるようにくつろいで遊ぶ。
ものみな季節の霊威に靡く春に見るよりは、夏の草が
茂ってはいるけれど、なんと言う今日の日の楽しさよ。
巻9-1751 高橋虫麻呂
見まく欲り 君来ませりと 暑けくに
汗かきなけ 木の根取り うそぶき登り
峰の上を 君に見すれば 男の神も
許したまひ 女の神も ちはひたまひて
時となく 雲居雨降る 筑波嶺を
さやに照らして いふかりし 国のま秀らを
つばらかに 示したまへば うれしみと
紐の緒解きて 家のごと 解けてそ遊ぶ
うち靡く 春見ましゆは 夏草の 繁くはあれど
今日の楽しさ
★ ころもで ひたちのくにに ふたならぶ つくはのやまを
みまくほり きみきませりと あつけくに あせかきなけ
このねとり うそぶきのぼり をのうへを きみにみすれば
をのかみも ゆるしたまひ めのかみも ちはひたまひて
ときとなく くもゐあめふる つくはねを さやにてらして
いふかりし くにのまほらを つばらかに しめしたまへば
うれしみと ひものをときて いえのごと とけてそあそぶ
うちなびく はるみましゆは なつくさの しげくはあれど
けふのたのしさ
★ 衣の袖をひたす常陸の国に、二つ並ぶ、筑波の山を
見たくて、あなたがやって来たと、暑くて汗をかき、
木の根を手に取り、息をあえがせて上り、山頂を
あなたに見せると、男岳の神もお許しになり、女岳の神も
ご加護くださり、たえず、雲がかかり、雨が降る 筑波の
嶺をきよらかに照らして、十分に知ることの無かった、
国の秀でた景観を、詳しくお示しになったので、嬉しさと
衣の紐を解いて家にいるようにくつろいで遊ぶ。
ものみな季節の霊威に靡く春に見るよりは、夏の草が
茂ってはいるけれど、なんと言う今日の日の楽しさよ。
巻9-1751 高橋虫麻呂
★ 島山を い行き廻れる 川沿ひの 岡辺の道ゆ
昨日こそ 我が越え来しか 一夜のみ
寝たりしからに 峰の上の 桜の花は 滝の瀬ゆ
散らひて流る 君が見む その日までには
山下ろしの 風な吹きそと うち越えて
名に負へる杜に 風祭りせな
★ しまやまを いゆきめぐえる かはぞひの をかへのみちゆ
きのふこそ わがこえこしか ひとよのみ ねたりしからに
をのうへの さくらのはなは たぎのせゆ ちらひてながる
きみがみむ そのひまでには やまおろしの かぜなふきそと
うちこえて なにおへるもりに かぜまつりせな
★ 島山を行きめぐって、流れる川沿いの丘に続いた道を通って
昨日こそ、私は越えてきたことです。
たった一晩のみ、寝泊りしただけなのに、峰の上の桜の花は
滝の早い流れに、散っては流れて行く。愛しいあなたが、
(その風景)を見るその日までは、山おろしの風が吹かないように
と峠を越えて、風の神を祭っている社に祈願をしましょう。
巻9-1751 高橋虫麻呂
昨日こそ 我が越え来しか 一夜のみ
寝たりしからに 峰の上の 桜の花は 滝の瀬ゆ
散らひて流る 君が見む その日までには
山下ろしの 風な吹きそと うち越えて
名に負へる杜に 風祭りせな
★ しまやまを いゆきめぐえる かはぞひの をかへのみちゆ
きのふこそ わがこえこしか ひとよのみ ねたりしからに
をのうへの さくらのはなは たぎのせゆ ちらひてながる
きみがみむ そのひまでには やまおろしの かぜなふきそと
うちこえて なにおへるもりに かぜまつりせな
★ 島山を行きめぐって、流れる川沿いの丘に続いた道を通って
昨日こそ、私は越えてきたことです。
たった一晩のみ、寝泊りしただけなのに、峰の上の桜の花は
滝の早い流れに、散っては流れて行く。愛しいあなたが、
(その風景)を見るその日までは、山おろしの風が吹かないように
と峠を越えて、風の神を祭っている社に祈願をしましょう。
巻9-1751 高橋虫麻呂