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★ なまよみの 甲斐の国 うち寄する 駿河の国と こちごちの 国のみ中ゆ 出で立てる
富士の高嶺は 天雲も い行きはばかり 飛ぶ鳥も 飛びも上らず 燃ゆる火を 雪もて消ち
降る雪を 火もて消ちつつ 言ひもえず 名づけも知らず 奇しくも 座す神かも 石花の海と
名づけてあるも その山の つつめる海そ 富士川と 人の渡るも その山の 水の激ちそ
日の本の 大和の国の 鎮めとも 座す神かも 宝とも なれる山かも 駿河なる
富士の高嶺は 見れど飽かぬかも
★ なまよみの かひのくに うちよする するがのくにと こちごちの くにのみなかゆ
いでたてる ふじのたかねは あまぐもの いゆきはばかり とぶとりも とびものぼらず
もゆるひを ゆきもちけち ふるゆきを ひもちけちつつ いひもえず なづけもしらず
くすしくも いますかみかも せっかのうみと なづけてあるも そのやまの つつめるうみそ
ふじがはと ひともわたるも そのやまの みずのたぎちそ ひのもとの やまとのくにの
しづめとも いますかみかも たからとも なれるやまかも するがなる ふじのたかねは
みれどあかぬかも
★ なまよみの甲斐の国、波が打ち寄せる駿河の国、それぞれの国の真ん中にそびえ立つ
富士の山は天雲も行く手をさえぎられ、飛ぶ鳥も飛んで上がる事が出来ず、燃える火を
雪でもって消し、降る雪を火でもって消し、言いようもない、名づけようもない、どうしようもなく
貴く気高くいらっしゃる神であることです。
石花の海と名づけている湖(今の西湖と精進湖)も、富士の山が懐に抱く海であることだ。
富士川と呼んで人が渡る川も、富士の山から流れ出る激流であることだ。
この日の本の大和の国のご守護神としていらっしゃることである。大和の国の宝ともなって
いる山である駿河にある富士の高嶺は・・・・いくらみても飽きぬ神々しく美しく気高いお姿で
あられることだ。
巻3-319 作者不詳
なんて素晴らしい長歌でしょうか・・・1300年経った今でも、富士山をみる日本人のこころと
何も変わりがありません。
気高い美しさを持つものを素直に褒め称えるそのこころに感動します。
清らかで明るい素直なこころ・・・・美しいですね・・・・
17日にふらっと、久しぶりにサントリーホールに東京交響楽団定期公演を聴きに行きました。
演目が滅多にない曲で面白そうだったからです。
リスト作曲アダムズ編曲 悲しみのゴンドラ
ドヴォルザーク・・・・スラブ舞曲、チェロ協奏曲
バルトーク・・・・管弦楽のための協奏曲
指揮者 大伴直人・・やや不満
チェリスト・・・マリオ・ブルネロ・・・・良く知らないが珍しいイタリア人のチェリスト
クラシックの演奏会は知らない曲が多いと緊張感を強いられるか眠くなる・・・・・凄くパッションを
感じる演奏とまでいかないのに、退屈しなかった・・・というより、楽しんで最後まで聴いていた。
理由は、頭で聞かず、耳でも聴かず、体で聞いたからだ。
空っぽになって、体で聞くと、作曲者の心が色や形になって伝わってくる・・・
一人で行くというのが、又いい。誰かと行くとどうしても気を使う。車なので休憩にワインとまで
いかないが、コーヒーとクッキーを一人でぼんやりと立って飲んでいた。
となりの若者が「おい、3楽章で爆睡さ」「俺なんか、2楽章だぜ」なんて話している。
そうだよね・・・と思いつつ・・・年のせいかな・・・私は・・なんて、思っていた。
で・・・ふらっと帰宅した訳ですが、何故かその晩から鼻水が止まらず、翌日になるとくしゃみを
連発・・・のどもいがいが・・・あ~あ~まさかね~16年前に完治したと思っていたのに・・・
いまさら、花粉症??絶対に治してやるぞ!!
で、このコンサートで色々感じた事があったけれど、また別の日に・・・ひとまず・・耳鼻咽喉科に
直行しよう。
★ 天地の 分かれし時ゆ 神さびて 高く貴き 駿河なる 富士の高嶺を 天の原 振り放け見れば
渡る日の 影も隠らひ 照る月の 光も見えず 白雲の い行きはばかり 時じくそ 雪は降りける
語り継ぎ 言ひ継ぎ行かむ 富士の高嶺は
★ あめつちの わかれしときゆ かむさびて たかくたふとき するがなる ふじのたかねを
あまのはら ふりさけみれば わたるひの かげもかくらひ てるつきの ひかりもみえず
しらくもの いゆきはばかり ときじくそ ゆきはふりける かたりつぎ いひつぎゆかむ
ふじのたかねは
巻3-317 山部宿禰赤人(やまべのすくねあかひと)
★ 天と地が初めて分かれた時から、神々しく貴い駿河の富士山を、天空はるか遠くまで
振り仰いで見ると、空を渡る太陽の光も、富士山に隠れて、照る月の光も見えないほどである。
白雲も行く手をさえぎられ、いつも雪が降っている。
いつまでも語り継ぎ、言い継いで行こう・・・この神々しく美しい富士の山の事を・・・・