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万葉歌手、辻友子のブログへようこそ! http://tomoko.ciao.jp
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★ なまよみの 甲斐の国 うち寄する 駿河の国と こちごちの 国のみ中ゆ 出で立てる

  富士の高嶺は 天雲も い行きはばかり 飛ぶ鳥も 飛びも上らず 燃ゆる火を 雪もて消ち

  降る雪を 火もて消ちつつ 言ひもえず 名づけも知らず 奇しくも 座す神かも 石花の海と

  名づけてあるも その山の つつめる海そ 富士川と 人の渡るも その山の 水の激ちそ

  日の本の 大和の国の 鎮めとも 座す神かも 宝とも なれる山かも 駿河なる 

  富士の高嶺は  見れど飽かぬかも


★ なまよみの かひのくに うちよする するがのくにと こちごちの くにのみなかゆ 

いでたてる  ふじのたかねは あまぐもの いゆきはばかり とぶとりも とびものぼらず

  もゆるひを ゆきもちけち ふるゆきを ひもちけちつつ いひもえず なづけもしらず

  くすしくも いますかみかも せっかのうみと なづけてあるも そのやまの つつめるうみそ

  ふじがはと ひともわたるも そのやまの みずのたぎちそ ひのもとの やまとのくにの

  しづめとも いますかみかも たからとも なれるやまかも するがなる ふじのたかねは

  みれどあかぬかも


★ なまよみの甲斐の国、波が打ち寄せる駿河の国、それぞれの国の真ん中にそびえ立つ

  富士の山は天雲も行く手をさえぎられ、飛ぶ鳥も飛んで上がる事が出来ず、燃える火を

  雪でもって消し、降る雪を火でもって消し、言いようもない、名づけようもない、どうしようもなく

  貴く気高くいらっしゃる神であることです。

  石花の海と名づけている湖(今の西湖と精進湖)も、富士の山が懐に抱く海であることだ。

  富士川と呼んで人が渡る川も、富士の山から流れ出る激流であることだ。

  この日の本の大和の国のご守護神としていらっしゃることである。大和の国の宝ともなって

  いる山である駿河にある富士の高嶺は・・・・いくらみても飽きぬ神々しく美しく気高いお姿で

  あられることだ。

                               巻3-319  作者不詳

   なんて素晴らしい長歌でしょうか・・・1300年経った今でも、富士山をみる日本人のこころと

   何も変わりがありません。

   気高い美しさを持つものを素直に褒め称えるそのこころに感動します。

   清らかで明るい素直なこころ・・・・美しいですね・・・・

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