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万葉歌手、辻友子のブログへようこそ! http://tomoko.ciao.jp
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天降りつく 神の香具山 うち靡く 春さり来れば 桜花 木の暗茂に 松風に 池波立ち 

辺つ方には あぢ群騒き 沖辺には 鴨妻呼ばひ ももしきの 大宮人の 罷り出で 漕ぎける舟は

棹楫も なくてさぶしも 漕がむと思へど 


★ あもふりつく かみのかぐやま うちなびく はるさりくれば さくらばな このくれしげに 

  まつかぜに いけなみたち へつへには あぢむらさわき おきへには かもつまよばひ

  ももしきの おおみやびとの まかりいで こぎけるふねは さをかぢも なくてさぶしも

  こがむとおもへど


■天から降ってきた聖なる香具山に、季節の息吹きが満ち満ちる春が来ると、桜の花は木の下が

 暗くなるほどに繁り、松を吹き渡る風に池が波立ち、岸の方では味鴨の群れが騒ぎ、

 沖の方では、鴨が妻を呼び鳴いている。ももしきの大宮人が、御前にまかり出で、漕いでいた

 舟は、今は棹も楫もなく、淋しい事です。舟を漕ごうと思ってみても・・・・

                            巻3-260   ある本の歌

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やすみしし 我ご大君 高光る 日の皇子 敷きいます 大殿の上に ひさかたの 天伝ひ来る

雪じもの 行き通ひつつ いや常世まで


★ やすみしし わごおおきみ たかひかる ひのみこ しきいます おほとののうへに ひさかたの

 あまづたひくる ゆきじもの ゆきかよひつつ いやとこよまで


★ あまねく国土をお治めになれるわが大君、高く輝く日の皇子が統治しておられます御殿の上

  に、遥かなる天の道を伝ってくる雪もように、そのように絶えず行き通い続けて、末永く永遠に

  ・・・・

                             巻3-261  柿本人麻呂 

柿本人麻呂の新田部皇子に献(たてまつ)れる歌一首

この時代は大宝律令が作られ、皇室を中心とした形がつくられ固められる時代なので、宮廷

歌人であった柿本人麻呂は皇室賛美の歌が実に長歌に多い・・・今読むと、問題になりそうな

内容であると思いますが、この時代はそのように受け止めていたということでしょう。

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★ ひとこがず あらくもしるし かづきする をしとたかべと ふねのうへすむ

★ 人が漕がないままでいることは、はっきりとよくわかります。水に潜るはずの、おしどりとたかべが

  舟の上に棲みついていますから・・・・・

あらくもは、有り・・・という意味。しるしは結果がはっきりとわかること・・・今でも使われますね。

人が漕いでいないしるしがはっきりと有る・・・ということですね。

たかべはガンカモ科の水鳥、水鳥が棲みついてしまうほど、ほったらかしにされた舟であると

いうことが、はっきりと分かるということですね。

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★ いつのまにか かむさびけるか かぐやまの ほこすぎがもとに こけむすまでに

★ いつの間にか、これほど神々しくなってしまったのでしょうか・・・杉の根元に苔が生すまでに・・・


鉾杉は、先端が鉾(ほこ)のような形をした杉の木の事・・・苔が生す・・・生まれると書いて、

生す(むす)と読むのは、音に意味があるのでしょうか??

大和言葉ですね・・・・・

苔むすことが、神々しくなるというのは、時間を経過したものは、神的なものに近くなるという

意味でしょうか??まだまだ、分からない事だらけです。

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★ ともしびの あかしおほとに いるひにか こぎわかれなむ いえのあたりみず

★ 灯火の明るい明石海峡に入っていく日に、漕ぎ別れる事になるのだろうか・・・故郷につながる

   山々を見ずに・・・・

                                        巻3-254  柿本人麻呂

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