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万葉歌手、辻友子のブログへようこそ! http://tomoko.ciao.jp
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★ ははちちも つまもこどもも  たかだかに

    こむとまつらむ  ひとのかなさし


★ 母父も、妻も子どもも心も持ちに 帰ってまって

  いることだろう子の死者の悲しみのいいことよ

    巻13-3340

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★ 玉桙の 海に出で立ち あしひきの 

  野行き山行き  ただうみの

  川行き渡り  鯨魚取り

  海路に出でて  吹く風も

  おほにはふかず 立つ波も

  のどには立たず  恐しきや

  神の渡りも   重波の

  寄する浜辺  高山に

  隔てに置きて  沖つ裳を

  枕にまきて  浦も無く

  こやせる者は 母父の

  愛子ににもあらむ  若草の

  妻もあるらむ  家問へど

  家道もいはず 名を問へど

  名だにも告らず  誰が言を

  いたはしみかも  とゐ波の

  恐き海の   ただ渡りけむ

      巻13-3339

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★ あしひひきの やまみちを  ゆかむとかぜふけば

   なみのさやれる   うみなぢはいかむ


★あしひきの山道までをこそ行こう。

 風が吹くと波が吹くと風がふくときは

 副と風行こう

        巻13-3338

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★ ははちちも  つまもこどもも たかだかに

   こむとまちけむ  ひとのかなしさ
 
     巻13-3337

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★ 鳥が音の きこゆる海に 高山を

  障になして 沖つ裳を 枕になし

  ひひるはの 衣だに着ずに

  鯨魚取り 海の浜辺に

  うらもなく 宿れる人は

  母父に  愛子にかあらむ

  若草の  妻かありけむ

  思ほしき 言伝へてむやと

  家問へば  家をも告らず

  名を問へど  名だにも告らず

  泣く児如す  言だにいはず

  思へども 悲しきものは

  世間にあり

★ とりがねの きこゆるもを たかやまを

  さわりになして  おきつもを まくらになし

  ひひるはの  ころもだにきずに

  いさなとり  うみのはまべに

  うらもなく やどれるひとは  

  ははちちに  いとしごにかあらむ

  わかくさの  つまかありけむ

  おもほしき  ことつたへてやむと

  いへとへば  いへものらず

  なをとへど  なだにもつげず

  なくごごとす  いいだにいはず

  おもへども  かなしきものは

  せけんにあり

★ 鳥の声が寂しく響く海に

  高山を障りとして、

  沖の藻にを枕として

  蛾の羽のように薄い衣さえつけず

  鯨魚を取る  海の浜辺に

  人心なく宿っている人は

  母や父にとってはいとしい子であろうか。

  若草の妻もいることだろうか。心に

  思う言をを伝えようかと家を聞いても

  家をも告げず泣きじゃくるこのようなことばさえ

  発しない。いくら考えても悲しいものは

  世の中よ。世の中よ

          巻13-3336

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