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万葉歌手、辻友子のブログへようこそ! http://tomoko.ciao.jp
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★ 鳥が音の きこゆる海に 高山を

  障になして 沖つ裳を 枕になし

  ひひるはの 衣だに着ずに

  鯨魚取り 海の浜辺に

  うらもなく 宿れる人は

  母父に  愛子にかあらむ

  若草の  妻かありけむ

  思ほしき 言伝へてむやと

  家問へば  家をも告らず

  名を問へど  名だにも告らず

  泣く児如す  言だにいはず

  思へども 悲しきものは

  世間にあり

★ とりがねの きこゆるもを たかやまを

  さわりになして  おきつもを まくらになし

  ひひるはの  ころもだにきずに

  いさなとり  うみのはまべに

  うらもなく やどれるひとは  

  ははちちに  いとしごにかあらむ

  わかくさの  つまかありけむ

  おもほしき  ことつたへてやむと

  いへとへば  いへものらず

  なをとへど  なだにもつげず

  なくごごとす  いいだにいはず

  おもへども  かなしきものは

  せけんにあり

★ 鳥の声が寂しく響く海に

  高山を障りとして、

  沖の藻にを枕として

  蛾の羽のように薄い衣さえつけず

  鯨魚を取る  海の浜辺に

  人心なく宿っている人は

  母や父にとってはいとしい子であろうか。

  若草の妻もいることだろうか。心に

  思う言をを伝えようかと家を聞いても

  家をも告げず泣きじゃくるこのようなことばさえ

  発しない。いくら考えても悲しいものは

  世の中よ。世の中よ

          巻13-3336

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