忍者ブログ
万葉歌手、辻友子のブログへようこそ! http://tomoko.ciao.jp
[1055]  [1056]  [1057]  [1058]  [1059]  [1060]  [1061
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

PR
★ おきつなみ きよるありそを しきたへの まくらとまきて なせるきみかも

★ 沖の波が打ち寄せて来る荒磯を、柔らかな枕のようにして寝ておられるあなたよ・・・

                                     巻2-222  柿本人麻呂

それまで、憐れむばかりだった死者への視線が、もっと身近な人へのものとなっていることが表現で解ります。

「寝」は「ぬ」とよむ場合の尊敬語で「な」と読んでいるところから、

死者を憐れむだけでなく、尊ぶ気持ちが強くなっている事が、感じられます。

拍手[2回]

★ 玉のように藻も美しい讃岐の国は、国の由来からか、見飽きない、神の性格によるのか、とても

  貴いことです。天地や月日とともに永久に、栄え満ちる神のお顔として、伝えられた讃岐の国は、

  その中の港から、船を浮かべて、自分で漕ぎ出だして来ると、潮時の風が、雲をかき分けて吹き

  沖のほうを見ると、大波がうねり、岸辺を見ると、白波が騒いでいる。

  鯨も取るという海を恐れて、進む船の梶を引きとめ、あちこちに島は多いけれど、その名も美しい

  狭岑の島の荒磯のところに、宿をとってみると、波の音が絶え間なく聞こえる浜辺を、布を重ねる

  ように枕として、荒い岩に自ら倒れ臥している君・・・・家を知っているならば、行って告げよう物も

  のを・・・・妻を知ったならば、来てことばをかけようものを・・・・玉ほこの道さえ知らず、待ち恋慕っ
  
  ているのだろうか・・・・倒れ臥す君の愛しき妻は・・・・・

                                  巻2-220 柿本人麻呂

拍手[0回]

★ つまもあらば つみてたげまし さみのやまのの へのうはぎ すぎにけらずや

★ 妻もいるのなら、二人で摘んで食べたでしょうに・・・・・佐美の山の野に生えた嫁菜は

  もう時期を過ぎてしまいました・・・

                                 巻2-221   柿本人麻呂

先の長歌に続く短歌です。

行き倒れの男に対する歌です。

拍手[0回]

★ けふけふと わがまつきみは いしかはの かひにまじりて ありといはずやも

★ 今日か今日かと待っているあなたは石川の貝に交じって倒れているというではありませんか・・

                                     巻2-224  依羅娘子(よさみのをとめ)

柿本朝臣人磨(かきのもとのあそみひとまろ)の死(みまか)りし時に、妻の依羅娘子(よさみのをと

め)の作れる歌2首・・・・と、あります。

拍手[0回]

★ 玉藻よし 讃岐の国は 国柄か 見れども飽かぬ 神柄か ここど貴き 天地 日月とともに

  満りゆかむ 神の御面と 継ぎ来る 中の水門ゆ 船浮けて わが漕ぎ来れば 時つ風 

  雲居に吹くに 沖見れば とゐ波立ち 辺見れば 白波さわく 鯨魚取り 海を恐み 行く船の

  梶引き折りて をちこちの 島は多けど 名くはし 狭岑の島の 荒磯面に いほりてみれば 

  波の音の 繁き浜べを 敷栲の 枕になして 荒床に 自伏す君が 家知らば 行きても告げむ

  妻知らば 来も問はましを 玉ほこの 道だに知らず おほほしく 待ちか恋ふらむ 愛しき妻らは


★ たまもよし さぬきのくには くにからか みれどもあかぬ かむからか ここだたふとき

  あめつち ひつきとともに たりゆかむ かみのみおもと つぎきたる なかのみなとゆ

  ふねうけて わがこぎくれば ときつかぜ くもゐにふくに おきみれば とゐなみたち 
 
  へみれば しらなみさわく いさなとり うみをかしこみ いくふねの かじひきおりて をちこちの

  しまはおおけど なくはし さみねのしまの ありそもに いほりてみれば なみのおとの

  しげきはまべを しきたへの まくらになして あらとこに ころふすきみが いへしらば 

  いきてもつげむ つましらば きもとはましを たまほこの みちだにしらず おほほしく

  まちかこふらむ ほしきつまらは


                                 巻2-220  柿本人麻呂

   讃岐の狭岑の島に、石の中に死(みまか)れる人を視て、柿本人麻呂の作れる歌一首

   併せて短歌・・・と、あります。


   道に行き倒れて亡くなった人を見て、人麻呂が詠んだ歌です。

   この時代は全て歩いての旅ですから、自然災害・山賊・病気など、目的地に行き着くことなく

   行き倒れる人は珍しくありませんでした。

拍手[0回]

カレンダー
07 2025/08 09
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31
ブログ内検索
プロフィール
HN:
辻友子
性別:
女性
自己紹介:
万葉を歌う歌手、辻友子のブログ。くわしくはホームページを!
Copyright © 万葉歌手辻友子 All Rights Reserved.
Designed by 10p
Powered by Ninja Blog

忍者ブログ [PR]