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明日香宮より 藤原宮に遷居(うつ)りし後に、 志貴皇子の作りませる御歌
★ うねめのそでふきかへすあすかかぜ みやこをとおみ いたづらにふく
★ 采女の袖を吹きひるがえす明日香の風・・・今はもう、都は遠く・・・
空しく私の心にも風が吹くことです
志貴皇子 巻1-51
私の大好きな志貴皇子(しきのみこ)の歌です。
彼は、万葉集に6首しか残しておりませんが、とても好きな「歌人」です。
なんだか、憂いや切なさ・・・哀しさ・・・というものが、彼の歌からは伝わってきます。
志貴皇子は、天智天皇の息子さんです。天武天皇に代わった時に、天智天皇の息子は、
二人残っていました。川島皇子と志貴皇子です。
時代は、天武天皇の時代ですが、其の前の天智天皇の息子として生きていたわけです。
微妙な立場ですよね・・・未来がないような・・・しかも、川島皇子も亡くなってしまいますから、
志貴皇子ひとりが残されたわけです。
彼のお母様は、豪族の娘でした・・・・采女でした。
そして、生まれたのが志貴皇子・・・・・この歌には、母への思慕も含まれているかもしれませんね・・・・
彼の歌は、力みがなく、客観的で、醒めた感じ・・・淋しさや切なさの風が・・こころを通り抜けます。