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うつそみの ひとにあるわれや あすよりは ふたかみやまを いろせとわがみむ
大伯皇女
この世の人である私は、明日から 二上山を弟と思うことに致します
24歳で死刑になった弟、大津皇子・・・姉の大伯皇女(おおくのひめみこ)はどれほどにか悔しかった事でしょう
愛しい弟の理不尽な死・・・哀(かな)しび傷(いた)みて作りませる御歌・・・
磯の上に生ふる馬酔木を手折らめど見すべき君がありと言はなくに
いそのうえに おふるあしびを たをらめど みすべききみが ありといはなくに
岸のところに咲く馬酔木の花を手折ってあなたに見せたい・・・でも、見せるあなたはもうこの世にはいない
白くて気品のある馬酔木の花・・・大津皇子にふさわしい花だと思います。
この二首には、姉の弟への気高く深い愛情が感じられます。
何故なら、大伯皇女は伊勢の斎宮です・・男の方との交わりは許されない、そして特別の霊感を持つ方です。
そのような方がたった一人の離れて暮らしている弟の事を想う・・・そして、24歳という若さでの死を悼む・・・その辛い思いはたとえようがないものでしょう。
今も昔も理不尽な死はあるのですね