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むらさきの にほへるいもを にくくあらば ひとづまゆゑに われこひめやも
大海人皇子(おおあまのみこ)
おおあまのみこが、恋するぬかたのおおきみのことを歌ったものです。
これには、最初に
あかねさす紫野行き標野行き 野守は見ずや君が袖振る
あかねさす むらさきのいき しめのいき のもりはみずや きみがそでふる
額田王(ぬかたのおおおきみ)
紫草の生い茂ったあなたさまの御料地を、人妻である私に向かって袖を振るあなた・・
野の番人にみつけられたらどうするのですか・・・
と、いう女性の歌に対して、後に皇太子であるおおあまのみこが答えたものです。
それに対して、なんと大胆な返歌でしょうか・・・・
実はおおあまのみこはその当時の天智天皇の弟で、額田王の元夫なのです。
元妻に、送る大胆な歌
紫草のようにあでやかに香るあなたのことがもし憎かったら、
人妻であるあなたをこんなに恋い慕うであろうか・・・・
今だと、メールで「気をつけないと、みんなが居る時に私に笑いかけたりしないほうがいいわよ」
それに対して「だって君のことが今でも好きなんだもん」
なんて調子かな・・・なぁんだ、不倫じゃん、と思うかもしれないけれど、
私が言いたいのは、恋する思いを歌に昇華させていく、万葉びとの教養の深さです。
恋・・・人はこれに悩み苦しみ傷つく・・そして、いいようのない幸福感を味わう