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万葉歌手、辻友子のブログへようこそ! http://tomoko.ciao.jp
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おほきみの とおのみかどと ありかよふ
   しまとをみれば かみよしおもほゆ

大君の、遠い朝廷として 官人たちが 通い続けた島の間を、眺めるていると、
神代のことが思われてならない。

     巻三の三〇四    柿本人麻呂

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秋山の したへる妹 なよ竹の とをよる子らは

いかさまに 思ひ居れか 栳(たく)縄の 長き命を

露こそば 朝(あした)に置きて 夕へは 消(き)ゆといへ

霧こそば 夕へに立ちて 朝は 失すといへ

梓弓 音聞く我も おほに見し こと悔しきを 敷栳の 手枕まきて

剣大刀 身に添へ寝けむ 若草の その夫(つま)の子は

寂(さぶ)しみか 思ひて寝(ぬ)らむ 悔しみか 思ひ恋ふらむ

時ならず 過ぎにし子らが 朝露のごと 夕霧のごと

意訳>

秋山の様に美しく色づいたあの人、なよ竹の様に、しなやかな
あの子は、どのように思ったのか 栳縄のような長い命なのに
露ならば朝に置いて夕方には消える言うけれど
霧ならば夕方に立って朝には消えると言うけれど
梓弓の美しい音を聞くように噂を聞いていた私も
ぼんやりとしか見ていないことが、悔しいのに、ましてや
手枕をを交わして剣大刀のように添い寝した若草の相手の方は
どれほど寂しく思って寝ているだろう・・
どんなに心残りをして思い慕っているだろう・・
思いもかけず死んでしまったあの子の事を・・
朝露の如くに・・・夕霧の如くに・・・

短歌二首

・去年見てし 秋の月夜は 照らせども 相見し妹は いや年離る
 こぞみてし あきのつくよは てらせども あひみしいもは いやとしさかる

 去年見た秋の月夜は、今年も同じように照らしているけれど、その月を共に
 見た妻は、年月と共にますます遠ざかる

・衾道を 引手の山に 妹を置きて 山道を往けば 生けりともなし
 ふすまぢを ひくてのやまに いもをおきて やまぢをゆけば いけりともなし

 衾道よ、引手の山の中に妹を置いて、山道を帰ると 生きた心地もしない



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うつせみと 思ひし時に たづさへて わが二人見し

走出の 堤に立てる 槻の木の こちごちの枝の

春の葉の 茂きが如く 思へりし 妹にはあれど

たのめりし 児らにはあれど 世の中を 背きし得ねば

かぎろひの 燃ゆる荒野に 白栲の 天領巾隠り

鳥じもの 朝立ちいまして 入日なす 隠りにしかば

吾妹子が 形見に置ける みどり児 乞ひ泣くごとに

取り与ふ 物し無ければ 男じもの 脇はさみ持ち

吾妹子と 二人わが宿し 枕づく 嬬屋の内に

昼はも うらさび暮らし 夜はも 息づき明し

嘆けども せむすべ知らに 恋ふれども 逢う因を無み

大鳥の 羽易の山に わが恋ふる 妹は座ますと

人の言へば 石根さくみて なづみ来し

吉けきもそなき うつせみと 思ひし妹が

玉かぎる ほのかにだにも 見えぬ思へば

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かけまくも ゆゆしきかも 言はまくも あやに畏き

明日香の 真弓の原に ひさかたの 天つ御門を

畏くも 定めたまひて 神さぶと 磐隠ります

やすみしし 我が大君の きこしめす 背面の国の

真木立つ 不破山越えて 高麗剣 和射見が原の

行宮に 天降りいまして 天の下 治めたまひ

食す国を 定めたまふと 鶏が鳴く 東の国の

御軍士を 召したまひて ちはやぶる 人を和せと

まつろはぬ 国を治めと 皇子ながら 任めたまへば

大御身に 大刀取り佩かし 大御手に 弓取り持たし

御軍士を 率ひたまひ 整ふる 鼓の音は 雷の

声と聞くまで 吹き響せる 小角の音も 敵見たる

虎か吼ゆると 諸人の おびゆるまでに 差上げたる

幡の靡きは 冬こもり 春さり来れば 野ごとに

つきてある火の 風の共 靡くがごとく 取り持てる

弓弭の騒き み雪降る 冬の林に 旋風かも

い巻き渡ると 思ふまで 聞きのかしこく 引き放つ

矢の繁けく 大雪の 乱れて来れ まつろはず

立ち向ひしも 露霜の 消なば消ぬべく 去く鳥の

争ふはしに 渡会の 斎きの宮ゆ 神風に い吹き惑はし

天雲を 日の目も見せず 常闇に 覆ひたまひて

定めてし 瑞穂の国を 神ながら 太敷きまして

やすみしし 我が大君の 天の下 奏したまへば

万代に 然しもあらむと 木綿花の 栄ゆる時に

我が大君 皇子の御門を 神宮に 装ひまつりて

使はしし 御門の人も 白栲の 麻衣着て 埴安の

御門の原に あかねさす 日のことごと 獣じもの

い葡ひ伏しつつ ぬばたまの 夕へになれば 大殿を

振りさけ見つつ 鶉なす い葡ひ廻り 侍へど

侍ひえねば 春鳥の さまよひぬれば 嘆きも

いまだ過ぎぬに 憶ひも いまだ尽きねば 言さへく

百済の原ゆ 神葬り 葬りいませて あさもよし

城上の宮を 常宮と 高くまつりて 神ながら 

鎮まりましぬ しかれども 我が大君の 万代と

思ほしめして 作らしし 香具山の宮 万代に

過ぎむと思へや 天のごと 振りさけ見つつ 玉たすき

懸けて偲はむ 畏くあれども

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★ かぐはしき はなたちばなを たまにぬき

    おくらむいもは みつれてもあるか

★ 香り立つような 橘の花を、薬玉に貫いて送ろうと思う

  あの娘はやつれているのだろうか・・・

         巻10-1967

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