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★ 谷近く 家が居るども
小高くて 里はあれども
ほととぎす いまだ来鳴かず
聞かまくほりと 朝には
門に出で立ち 夕べには
谷を見渡し 恋ふれども
一声だにも いまだ聞こえず
★ たにちかく いへはをれども
こだくて さとはあれども
ほととぎす いまだきなかず
なくこえおを きかまくほりと
あしたには かどにいでたち
ゆふべには たにをみわたし
こふれども ひとこえだにも
いまだきこえず
★ 谷の近くに住んではいるけれども、
木が高く繁る里ではあるけれど、
鳴く声を聞きたいので朝は門に
出で立ち、夕べには谷を見渡して
恋うけれども一声すらまだ聞こえて
来ません
大伴家持
巻19-4209」
小高くて 里はあれども
ほととぎす いまだ来鳴かず
聞かまくほりと 朝には
門に出で立ち 夕べには
谷を見渡し 恋ふれども
一声だにも いまだ聞こえず
★ たにちかく いへはをれども
こだくて さとはあれども
ほととぎす いまだきなかず
なくこえおを きかまくほりと
あしたには かどにいでたち
ゆふべには たにをみわたし
こふれども ひとこえだにも
いまだきこえず
★ 谷の近くに住んではいるけれども、
木が高く繁る里ではあるけれど、
鳴く声を聞きたいので朝は門に
出で立ち、夕べには谷を見渡して
恋うけれども一声すらまだ聞こえて
来ません
大伴家持
巻19-4209」
★此間にして 背向に見ゆる
わが背子が 垣内の谷に
明けされば 榛のさ枝に
夕されば 籐の繁みに
遥遥に 鳴くほととぎす
わが屋戸の 植木橘
花に散る 時を未だしみ
来鳴かなく そこは怨みず
しかれども 谷片付きて
家居せる 君が聞きつつ
告げなくみも憂し
★ ここにして そがひみみゆる
わがせこが かきつのたにに
あけされば はりのさえだに
ゆうされば ふじのしげみに
はろはろに なくほととぎす
わがやどの うえきたちばな
はなにしる ときをまだしみ
きなかなく そこはうらみず
しかれども たにかたづきて
いえいせる きみがききつつ
つげなくもうし
★ ここから背後に見えるあなたの家の囲いの
谷で、朝になるとはりのえだに、夕べになると
籐の花の繁みに遠く鳴くほととぎすは
わが家に植えた橘の花が散る時にも、まだ時が早い
とて、来ては鳴かない。そのことは怨めしく思って
ないが、谷の近くに住んでおられるあなたが、声を
耳にしながらそれを告げて来られないことも、つらいことだ
大伴家持
巻19-4207
わが背子が 垣内の谷に
明けされば 榛のさ枝に
夕されば 籐の繁みに
遥遥に 鳴くほととぎす
わが屋戸の 植木橘
花に散る 時を未だしみ
来鳴かなく そこは怨みず
しかれども 谷片付きて
家居せる 君が聞きつつ
告げなくみも憂し
★ ここにして そがひみみゆる
わがせこが かきつのたにに
あけされば はりのさえだに
ゆうされば ふじのしげみに
はろはろに なくほととぎす
わがやどの うえきたちばな
はなにしる ときをまだしみ
きなかなく そこはうらみず
しかれども たにかたづきて
いえいせる きみがききつつ
つげなくもうし
★ ここから背後に見えるあなたの家の囲いの
谷で、朝になるとはりのえだに、夕べになると
籐の花の繁みに遠く鳴くほととぎすは
わが家に植えた橘の花が散る時にも、まだ時が早い
とて、来ては鳴かない。そのことは怨めしく思って
ないが、谷の近くに住んでおられるあなたが、声を
耳にしながらそれを告げて来られないことも、つらいことだ
大伴家持
巻19-4207