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★ 春過ぎて 夏来向かへば あしひきの
やま呼び響め、さ夜中に 鳴く ほととぎす
初声を 聞けばなつかし 菖蒲 花橘を
貫き交じへ かづらくまでに 里響め
鳴き渡れども、猶しののはゆ
★ はるすぎて なつきむかへば あしひきの
やまよびとよめ さよなかに なく ほととぎす
はつこえを きけばなつかし あやめ はなたちばなを
ぬきまじへ かづらくまでに さととよめ
なきわたれども なほしののはゆ
★春が過ぎて夏が訪れるとあしひきのやまに鳴き声を響かせて
夜中に鳴くほととぎすよ。その初声を聞くと心ひかれる。
菖蒲に花橘をまぜ通してかずらとする日まも、村中を
響かせて鳴きつぐのだけれども、一層賞美されることです
巻19-4180
やま呼び響め、さ夜中に 鳴く ほととぎす
初声を 聞けばなつかし 菖蒲 花橘を
貫き交じへ かづらくまでに 里響め
鳴き渡れども、猶しののはゆ
★ はるすぎて なつきむかへば あしひきの
やまよびとよめ さよなかに なく ほととぎす
はつこえを きけばなつかし あやめ はなたちばなを
ぬきまじへ かづらくまでに さととよめ
なきわたれども なほしののはゆ
★春が過ぎて夏が訪れるとあしひきのやまに鳴き声を響かせて
夜中に鳴くほととぎすよ。その初声を聞くと心ひかれる。
菖蒲に花橘をまぜ通してかずらとする日まも、村中を
響かせて鳴きつぐのだけれども、一層賞美されることです
巻19-4180
★ わが背子と 手携はりて
明け来れば 出で立ち向ひ
夕されば ふり放つ見つつ
思ひのべ 見和ぎし山に
八峰には 雲たなびき
霞たなびき たに辺には
椿花咲き うら悲し
春し過ぐれば ほととぎす
いや重き鳴きぬ 独りのみ
聞けばさぶしも 君と吾
隔りて恋ふる と波山
飛び越え行きて 明け立たたば
松のさ枝に 夕さらば
月に向かひて 菖蒲草
玉貫くまでに 鳴き響め
安眠寝しめず 君を悩ませ
★ わがせこと てたずさはりて
あけくれば ゆふたちされば
ふりさけみつつ みなぎしやまに
やつをには かすみたなびき
たにへには つばきはなさき
うらかなし はるしすぐれば
ほととぎす いやしきなきぬ
ひとりのみ きけばさぶしも
きみとあれ へなりてこふる
となみやま とびこえゆきて
あけたたば まつのさえだに
ゆうさらば つきにむかひて
あやめぐさ たまぬくまでに
なきとよめ やすいねしめず
きみをなやませ
★ あなたと、手を携えて、夜が明けると
外に出て日が暮れると遠く眺めつつ心を
陳べ見ては心を休めた山には峰々に霞が
立ち谷間には 椿が花を咲かせて心悲しくも
春が過ぎていったので今やほととぎすがしきりに
鳴いている。それを一人だけで聞くと寂しい
ことよ。あなたと私を距てて恋しくさせるとなみ山を
飛び越えて行き、松の小枝に。夜になれば菖蒲を玉に
貫く端午の日までも鳴き声を響かせて、安眠させずに
あなたを悩ませよ、響かせて。
大伴家持
巻19-4177
明け来れば 出で立ち向ひ
夕されば ふり放つ見つつ
思ひのべ 見和ぎし山に
八峰には 雲たなびき
霞たなびき たに辺には
椿花咲き うら悲し
春し過ぐれば ほととぎす
いや重き鳴きぬ 独りのみ
聞けばさぶしも 君と吾
隔りて恋ふる と波山
飛び越え行きて 明け立たたば
松のさ枝に 夕さらば
月に向かひて 菖蒲草
玉貫くまでに 鳴き響め
安眠寝しめず 君を悩ませ
★ わがせこと てたずさはりて
あけくれば ゆふたちされば
ふりさけみつつ みなぎしやまに
やつをには かすみたなびき
たにへには つばきはなさき
うらかなし はるしすぐれば
ほととぎす いやしきなきぬ
ひとりのみ きけばさぶしも
きみとあれ へなりてこふる
となみやま とびこえゆきて
あけたたば まつのさえだに
ゆうさらば つきにむかひて
あやめぐさ たまぬくまでに
なきとよめ やすいねしめず
きみをなやませ
★ あなたと、手を携えて、夜が明けると
外に出て日が暮れると遠く眺めつつ心を
陳べ見ては心を休めた山には峰々に霞が
立ち谷間には 椿が花を咲かせて心悲しくも
春が過ぎていったので今やほととぎすがしきりに
鳴いている。それを一人だけで聞くと寂しい
ことよ。あなたと私を距てて恋しくさせるとなみ山を
飛び越えて行き、松の小枝に。夜になれば菖蒲を玉に
貫く端午の日までも鳴き声を響かせて、安眠させずに
あなたを悩ませよ、響かせて。
大伴家持
巻19-4177