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★ あらたまの 年行き変わり
春されば 花のみにほふ
あしひきの 山下響く
落ち激ち 流るへきたの
川の瀬に 年魚子さへ走る
島つ鳥 鵜飼ともなへ
篝さし なづさひ行けば
吾妹が 形見がてらと
紅の 八入に染めて
寄せたる 衣の裾も
とほりて濡れる
★ あらたまの としゆきかはり
はるされば はなのみにほふ
あしひきの やましたとよみ
おちたぎち ながるかわのせに
あゆこさはしる しまつとり
うかひともなへ かがりさし
なづさひいけば わぎもこが
かたみがてらと くれないの
やしほにそめて おこせたる
ころものすそも とほりてぬれぬ
★ あらたまの年が改まって春になると花が
一面に美しいあしひきの、山の、その下に
音を響かせて落ち激ち流るへきた川の
瀬には、年魚の子が走りまわる。
そこで島つ鳥鵜飼の者をつれ、篝火を
燃やしつつ流れを歩いてゆくと、
わが妻が形見にもとて
わが妻が紅色に濃く染めて、
送ってくれた衣の
裾が塗れとおることだ
大伴家持
巻19-4160
春されば 花のみにほふ
あしひきの 山下響く
落ち激ち 流るへきたの
川の瀬に 年魚子さへ走る
島つ鳥 鵜飼ともなへ
篝さし なづさひ行けば
吾妹が 形見がてらと
紅の 八入に染めて
寄せたる 衣の裾も
とほりて濡れる
★ あらたまの としゆきかはり
はるされば はなのみにほふ
あしひきの やましたとよみ
おちたぎち ながるかわのせに
あゆこさはしる しまつとり
うかひともなへ かがりさし
なづさひいけば わぎもこが
かたみがてらと くれないの
やしほにそめて おこせたる
ころものすそも とほりてぬれぬ
★ あらたまの年が改まって春になると花が
一面に美しいあしひきの、山の、その下に
音を響かせて落ち激ち流るへきた川の
瀬には、年魚の子が走りまわる。
そこで島つ鳥鵜飼の者をつれ、篝火を
燃やしつつ流れを歩いてゆくと、
わが妻が形見にもとて
わが妻が紅色に濃く染めて、
送ってくれた衣の
裾が塗れとおることだ
大伴家持
巻19-4160
★ あしひきの 山坂越えて
ゆき更る 年の緒長く
しなざかる 越に住めば
大君の 敷きます国は
都をも ここも同じと
心には 思ふものから
語りさけ みさくる人眼
乏しみと 思し繁し
そこゆゑに 情和ぐやと
秋づけば 萩咲き匂う
石瀬野に 馬だに行きて
遠近に 鳥踏み立て
白塗りに 小鈴の裏に
あはせ遣り 振り分け見つつ
いきどほる 心の中を
思びながら うれしびながら
枕づく 妻屋の内に
鳥座結ひ 据ゑてそわが飼う
真白の斑の鷹
★ あしひきの やまさかこえて
ゆきかはる としのをながく
こしにしすめば おおきみの
しきますくには みやこをも
ここもおなじと こころには
おもふものから かたりさけ
みさくるさけ ともしみと
おもひししげし そこゆゑに
こころなぐやと あきづけば
はぎさきにほう いわせのに
うまだにゆきて おちこちに
とりふみたて しらぬりの
こすずもゆらに あはせやり
ふりさけみつつ いきどおる
こころのうちを おもひのべ
うれしびながら まくらづく
つまやのうちに とくらゆひ
すえてそわがかう ましろのたか
★ あしひきの 山や坂を越えてきて
めぐり来る 年月長く
しなざかる越の国に住んでいるので
天皇のお治めになる国土は、都でも
ここも同じだと心では思っては思って
いるものの、人々と会ったり語ったり
会ったりすることも遠く稀だと思うと、
物想いが絶えない。そこで少しは
心が慰められるかと、秋になると
萩の花が美しい石瀬野に馬を駆って
鳥を追い立て、白銀の小鈴の音さやかに
鷹を飛びたたせ、その姿を遠く目で
追いながら鬱積した心中を晴らし、
それを楽しみつつ、枕づく妻屋の
中に鳥屋を作り据えて飼うことだ。
純白の斑文の鷹を
大伴家持
巻19-4154
ゆき更る 年の緒長く
しなざかる 越に住めば
大君の 敷きます国は
都をも ここも同じと
心には 思ふものから
語りさけ みさくる人眼
乏しみと 思し繁し
そこゆゑに 情和ぐやと
秋づけば 萩咲き匂う
石瀬野に 馬だに行きて
遠近に 鳥踏み立て
白塗りに 小鈴の裏に
あはせ遣り 振り分け見つつ
いきどほる 心の中を
思びながら うれしびながら
枕づく 妻屋の内に
鳥座結ひ 据ゑてそわが飼う
真白の斑の鷹
★ あしひきの やまさかこえて
ゆきかはる としのをながく
こしにしすめば おおきみの
しきますくには みやこをも
ここもおなじと こころには
おもふものから かたりさけ
みさくるさけ ともしみと
おもひししげし そこゆゑに
こころなぐやと あきづけば
はぎさきにほう いわせのに
うまだにゆきて おちこちに
とりふみたて しらぬりの
こすずもゆらに あはせやり
ふりさけみつつ いきどおる
こころのうちを おもひのべ
うれしびながら まくらづく
つまやのうちに とくらゆひ
すえてそわがかう ましろのたか
★ あしひきの 山や坂を越えてきて
めぐり来る 年月長く
しなざかる越の国に住んでいるので
天皇のお治めになる国土は、都でも
ここも同じだと心では思っては思って
いるものの、人々と会ったり語ったり
会ったりすることも遠く稀だと思うと、
物想いが絶えない。そこで少しは
心が慰められるかと、秋になると
萩の花が美しい石瀬野に馬を駆って
鳥を追い立て、白銀の小鈴の音さやかに
鷹を飛びたたせ、その姿を遠く目で
追いながら鬱積した心中を晴らし、
それを楽しみつつ、枕づく妻屋の
中に鳥屋を作り据えて飼うことだ。
純白の斑文の鷹を
大伴家持
巻19-4154