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★ 大君の 命畏み あしひきの 山の障らず
天離る 鄙も治むる 何かもの思ふ 青丹よし
奈良路来通ふ 玉梓の 使絶えめや 籠り恋ひ
息づき渡り 下思よ 嘆かふわが背 古ゆ
言ひ継ぎ来らし 世間は 数なきものそ 慰むる
事あらむと 里人の 吾に告ぐらく 山傍には
桜花散り かほ鳥の 間なくしば鳴く 春の野に
菫を摘むと 白妙の 袖折り返し 紅の 赤裳裾引き
少女らは 思ひ乱れて 君待つと うら恋ひすなり
心ぐし いざ見に行かな 事はたなひゆ
★おおきみの みことかしこみ あしひきの やまのさはらず
あまざかる ひなもおさむる なにかものおもふ
あまによし ならぢきようふ たまづさの したえめや
こもりこひ いきづきわたり したもよ なげかふさがせ
いにしへゆ いひつぎくらし せけんは かずさなきものそ
なぐさむる ことあらむと さとひとの あれにつぐらく
やまびには さくらばなちり かほとりの まなくしばなく
はるののに すみれつむと しろたへの そでおりかへし
くれないの あかもすそひき をとめらが おもひみだれて
きみまつと うらこひすなり こころぐし いざみにゆかな
ことはたなひゆ
★大君の御命令を尊んで、あしひきの山も野も越えて、天遠い鄙をも
治める勇ましい男子たるはあなたは、どうして物を思いましょう。
青丹美しい奈良路へ行き来する玉梓がの使いがどうして絶えましょう
家に籠って恋に苦しみ嘆息しつつ下心に嘆くわが背よ。昔から嘆息しつつ
下心に嘆くわが背よ。昔から語り継いで来たように、世間はとるに
足らないものようです。 私の気が安まる事もあるのだろうと
里の者が私に告げるには「山べには桜花が散り,郭公が絶えず鳴き
しきります。春の野に菫を摘もうと、白妙の袖を折り返し、紅の赤裳の
裾引いて、少女たちが心乱れてなたを待つとて心から恋しているようです」
と。家にいることはうっとうしいことです。 家にいることは
うっとうしいことです。さあ見に行きましょう。もう事はすっかり
決まっているのです
大伴池主
巻17-3793
天離る 鄙も治むる 何かもの思ふ 青丹よし
奈良路来通ふ 玉梓の 使絶えめや 籠り恋ひ
息づき渡り 下思よ 嘆かふわが背 古ゆ
言ひ継ぎ来らし 世間は 数なきものそ 慰むる
事あらむと 里人の 吾に告ぐらく 山傍には
桜花散り かほ鳥の 間なくしば鳴く 春の野に
菫を摘むと 白妙の 袖折り返し 紅の 赤裳裾引き
少女らは 思ひ乱れて 君待つと うら恋ひすなり
心ぐし いざ見に行かな 事はたなひゆ
★おおきみの みことかしこみ あしひきの やまのさはらず
あまざかる ひなもおさむる なにかものおもふ
あまによし ならぢきようふ たまづさの したえめや
こもりこひ いきづきわたり したもよ なげかふさがせ
いにしへゆ いひつぎくらし せけんは かずさなきものそ
なぐさむる ことあらむと さとひとの あれにつぐらく
やまびには さくらばなちり かほとりの まなくしばなく
はるののに すみれつむと しろたへの そでおりかへし
くれないの あかもすそひき をとめらが おもひみだれて
きみまつと うらこひすなり こころぐし いざみにゆかな
ことはたなひゆ
★大君の御命令を尊んで、あしひきの山も野も越えて、天遠い鄙をも
治める勇ましい男子たるはあなたは、どうして物を思いましょう。
青丹美しい奈良路へ行き来する玉梓がの使いがどうして絶えましょう
家に籠って恋に苦しみ嘆息しつつ下心に嘆くわが背よ。昔から嘆息しつつ
下心に嘆くわが背よ。昔から語り継いで来たように、世間はとるに
足らないものようです。 私の気が安まる事もあるのだろうと
里の者が私に告げるには「山べには桜花が散り,郭公が絶えず鳴き
しきります。春の野に菫を摘もうと、白妙の袖を折り返し、紅の赤裳の
裾引いて、少女たちが心乱れてなたを待つとて心から恋しているようです」
と。家にいることはうっとうしいことです。 家にいることは
うっとうしいことです。さあ見に行きましょう。もう事はすっかり
決まっているのです
大伴池主
巻17-3793