★　しらなみの　　よするいそみを　　こぐふねの

　　　　かじとるまなく　　おもほしきみは

★　白波が寄せる磯廻を漕ぐ船の楫の合い間のないように

　　、絶えず思っていたあなたよ

　　　　　　　　　　　　　大伴家持

　　　　　巻17－3961

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★　にわにふる　　ゆきはちえしく　しかのみに

　　　　おもひをきみに　　あがまたなくに


★　庭に降る雪は千重に降り積もっています、

　しかしそんな程度だけに思ってあなたを

　お待ちしているのではありません

　　　　　　　　　　大伴家持

　　　巻17－3960

[0回]

★　かからむと　かねてしりせば　　えつのうみの

　　　ありそのなみも　　みせましものを


★　こうなろうと前から知っていれば、

　　越の国の海べの、荒磯の波も

　　見せたかったものよ

　　　　　　　　　　大伴家持

　　　　巻17－3959

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★　まさきくと　　いひてしものを　　しらくもの

　　　たちたなびくと　　きけばこひし

★　こうなろうと前から知っていれば、越の国の

　　海べの、荒磯の波の　見せたかったものを

　　　　　　　　　　　　　大伴家持

　　　　　巻17－3959

[0回]

★　天離る　鄙治めにと　大君の　任のまにまに

　　出でて来し　吾を送ると　青丹よし

　　奈良山過ぎて　泉川　清き河原に

　　馬とどめ　別れし時に　真幸くて

　　吾帰り込む　平けく　斎ひて待てと

　　語らひて　来し日の極み　玉ほこの

　　道をた遠み　　山川の　隔たりてあれば

　　恋しけく　日長きものを　見まく欲り

　　思ふ間に　玉梓の　使を来れば

　　嬉しみと　吾が待ち問ふに　逆言の

　　狂言とかも　　愛しきよし　汝弟の命

　　何しかも　　時しはあらむ　はだ薄

　　穂に出る秋の　萩の花　にほへる屋戸を

　　朝庭に　出でたちならし　夕庭に

　　踏み平げず　　佐保の内の　里を行き過ぎ

　　あしひきの　　山の木末に　白雲に

　　立ちなびくと　吾に告げる

★あまざかる　　ひなをさめにと　　おほきみの

　まけのまにまに　いでてこし　われをおくると

　あをによし　ならやますぎて　　いずみかわ

　きよききかはらに　　うまとどめ　わかれしときに

　まさきくて　あれかへりこむ　たひらけく

　いはひてまてと　　かたらひて　こしひのきはみ

　たまほこの　　みちをたどほみ　　やまかわの

　へなり手あれば　こひしけく　　けながきものを

　みまくほり　おもふあいだに　たまづさの

　しのければ　うれしみと　　あがまちとふに

　およづれの　たはことかも　　はしきよし

　なおとうとのみこと　　なにしかも　ときしはあらむ

　はだすすき　ほにづるあきの　はぎのはな　にほへるやとを

　あさにわに　　いでたちぬらし　ゆうにわに　ふみたひらけず

　さほのうちの　さとをいきすぎ　あしひきの　やまのこぬれに

　しらくもに　たちなびくと　あしひきの　やまのこぬれに

　しらくもに　たちなびくと　あれにつげつる

★　天遠い　鄙治めにと　大君の　任のまにまに　出でて来し

　　吾を送ると　青丹よし　奈良山過ぎて　泉川　清き川原に

　　馬とどめ　別れし時に　真幸くて　吾帰り込む　平原に

　　斎ひて待てと　語らひて　来し日の極みを　玉ほこの

　　使の来れば　嬉しみと　吾が待ち問ふに　逆言の

　　狂言とかも　愛しきよし　汝弟の命　何しかも

　　時しはあらむを　はだ薄　穂に出る秋の　萩の花

　　にほへる屋戸を　朝庭に　出で立ちならし

　　夕庭に　踏み平げず　佐保の内の　里を行き過ぎ

　　あしひきの　山の木末に　白雲に　立なびくと

　　吾に告げつる

　　　　　　巻17－3957

　

　

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