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万葉歌手、辻友子のブログへようこそ! http://tomoko.ciao.jp
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★ きみまつと あがこひおれば わがやどの すだれうごかし あきのかぜふく

                                         ぬかたのおおきみ

★ あなたさまが 早くいらっしゃらないかしらと思って 恋しい気持ちでお待ち申し上げていると

  、我が家の簾が揺れて・・・秋の風がそよそよと吹いている・・・・・まるで、私の心のように


これは、恋人を待つ女性の気持ちを見事に歌い上げていると思います


彼氏がぁ  部屋に遊びに来るって言うからぁ  テレビ消して今か今かと、

音も立てずに待ってるのに あいつ中々来やがらない・・・・・

いらいらしちゃって、もしかしたら来ないかもとか、色々考えちゃって、それでも、窓から外をじっと

見てたんだタバコ吹かしてさ、煙が秋の風にす~っと流れていってたよ


ギャル風にアレンジするとこういう感じでしょうか・・・・・ギャルさま、失礼いたしました
 

でも、女性が恋する男性を待つ気持ちって、本当に今も昔もギャルも気取った女性も変わらない

恋ってそういうもの・・・・恋焦がれたあの人は本当にやってくるのかしら、

来ると言っていたけれど・・・・・・心配だわ・・・

揺れる女心というけれど・・・秋の風が簾を動かすさまに、女心を反映させて・・・・

心憎いばかりですね。心を、秋の風と揺れる簾に映している・・・・・・見事ですね

私も詠みたいな・・・・・こんな歌・・・・・


さて、万葉集ではこの和歌のすぐ後に、鏡王女(かがみのおおきみ)の歌を載せています。

      鏡王女の作れる歌一首

★ 風をだに 恋ふるは羨し 風をだに 来むとしまたば 何か嘆かむ

                                     鏡王女

★ かぜをだに こいふるはともし かぜをだに こむとしまだば  なにかなげかむ

                                     かがみのおおきみ

★ 風を恋しいとは羨ましい事です。 風を恋しいと待てるならば、そのような心を持てるならば

 何を嘆く事があるのでしょうか?


風をだに・・・という句を二回も使っている・・・・

風を恋ふる人に例えているのではないでしょうか?

恋する人が居てが、そのお方を待つことが出来るならば、嘆く事などありはしない

そう考えると意味もわかり易い感じがします。

何故なら、額田王も鏡王女も天智天皇に愛されましたが、

後に鏡王女は藤原鎌足の正室となります。

そして、先に藤原鎌足が亡くなってしまうのです。

そう考えると、夫を亡くした寂しい妻の歌ようですね・・・

額田王の返歌という説もあるようですが・・・和へる歌(こたへるうた)とは書いていない・・・・・

作る歌と書いている・・・・編纂した人の意図があってこの2首を並べたのかもしれませんね


 

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