×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
PR
とある作家の方に
「辻さんは、何故万葉なの?古今とか新古今とかのほうが、みんな馴染みやすいんじゃない?」
と、質問されました。
なぜ、万葉なのか・・・・?
私なりの考えを述べたいと思います。
第2次世界大戦当時、学徒出陣の青年たちが、愛する家族や恋人と別れて、戦場に赴きました。
そして、多くの若者が戦争のためにお亡くなりになりました。
祖国に帰された遺骨と共に、遺品の中で一番数多く、とある書物がありました。
その書物の名は・・・「万葉集」・・・でした。
戦場から送る手紙は検文されます。恋人への恋しい想いや、戦場での辛い思いなど、検文に
ひっかかる内容を書くことが出来ません。
彼らは、日本人のあらゆる心性が歌われている万葉集の中の恋の歌や、防人の歌、
天皇陛下への歌・・・・の中から、
巻2-203を読んで下さい。今の僕の気持ちです。。。。などと、書いて
送ったそうです。
死と隣り合わせの戦場で考えた様々なこと・・人生の事・恋人の事・家族の事・友人の事・・・・
そして、母国、日本の事・・・あらゆる気持ちを、表していたのが、日本で最古の和歌集「万葉集」
だったのです。
1300年も前の日本人の心と、20世紀の日本人の心はなんら変わる事がないのです。
民族の心は脈々と、歌を通しても、変わることなく流れ続けているのです。
今の日本が、日本人が、取り戻したくてどうしてよいのかわからずにいる大和心・・・この大和心を
私は私が出来うる・・歌・・・を、通して伝えていきたいと、強く思いました。
万葉の心、万葉の自然、万葉の死生観、万葉の恋・・・それは、深い包容力に満ちています。
万葉和歌を楽しむ方法は様々だと思います。
私は私なりの方法で、皆様に万葉びとの心をお伝えできたら、願っております。