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★ うつそみと 思ひし時 携へて わが二人見し 出で立ちの 百枝槻の木 こちごちに
枝させる如 春の葉の 茂きがごとく 思へりし 妹にはあれど たのめりし 妹にはあれど
世の中を 背きし得ねば かぎろひの 燃ゆる荒野に 白栲の 天領巾隠り 鳥じもの
朝立ち行きて 入日なす 隠りにしかば 吾妹子が 形見に置ける 緑児の 乞ひ泣くごとに
取り委す 物しなければ 男じもの 脇はさみ持ち 吾妹子と 二人わが宿し 枕つく
嬬屋の内に 昼は うらさび暮らし 夜は 息づき明し 嘆けども せむすべ知らに 恋ふれども
逢ふよしを無み 大鳥の 羽易の山に 汝が恋ふる 妹は座すと 人のいへば 石根さくみて
なづみ来し 好けくもぞ無き うつそみと 思ひし妹が 灰にていませば
★ うつそみと おもひしとき たづさへて わがふたりみし いでたちの ももえつきのき
こちごちに えださせるごと はるのはの しげきがごとく おもへりし いもにはあれど
たのめりし いもにはあれど よのなかを そむきしえねば かぎろひの もゆるあらのに
しろたへの あまひれがくり とりじもの あさたちいきて いりひなす かくりにしかば
わぎもこが かたみにおける みどりごの こひなくごとに とりまかす ものしなければ
おとこじもの わきはあみもち わぎもこと ふたりわがねし まくらつく つまやのうちに
ひるは うらさびくらし よるは いきづきあかし なげけども むせすべしらに こふれども
あふよしをなみ おおとりの はがひのやまに ながこふる いもはいますと ひとのいへば
いはねさくみて なづみこし よけくもぞなき うつそみと おもひしいもが はいにていませば
巻2-213 柿本人麻呂
巻2-210 の異なって、伝えられたもの・・・・(異伝)
ほぼ、同じですが、この頃から土葬ではなく火葬になったものらしく、葬儀の仕方に対する
戸惑いの心が感じられるとの説もあります。
最後が、「灰にていませば」と、なっており、火葬に対する戸惑いの表現とも・・・