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信じられない種類と数のライブ録音・そのレパートリーの広さ・水準の高さ
カウンターテノールが歌うのではなく、たまたまカウンターテノールであった藤岡宣男さん
藤岡さんは、音楽に対する純粋さと力量がありすぎたと思います。
普通ならば、何十年か掛けてたどり着く場所に数年で到達しえた・・・・
その為に、多くの非難も浴びたようです。
何故なら人は自分の物差しでしか物事を計れないからです。
何故、人のできない事を成し得たか・・・それは、覚悟であり、努力であり、聡明さであり、
知的好奇心の旺盛さであり・・・そして自分の魂のマグマがあったからではないでしょうか・・・・
・・・そして、良き理解者に恵まれた事でしょう・・・
そして、ついでにいい弟子にも恵まれたからと申し添えておきましょう(笑)
歌手 藤岡宣男の凄いところは、
クラシック歌手は中々しないライブ録音というものを、恐れずにやった事です、
最初のライブ録音リュートソングCD 「薔薇より甘く」 は
札幌時代にライブ録音されたものですから、私は聴きに行っていませんが、
残りのライブ録音のCD化された物は、全て聴きに行きました。
「心の唄」 「和の心・洋の心」etc・・・・・
まだ、CD化されていないオペラ・宗教曲・ドイツ歌曲・昭和歌謡・アメリカンポピュラーソングなど、
たくさんのライブ録音が残されています。
歌手として10年足らずの活動で、これだけのレパートリーをこなせる人がいるでしょうか?
しかも、ライブ録音で・・・・・・
舞台を聴きにいらしたお客様にも充分の満足感を与えた上で、あの水準のライブ録音を
残す・・・しかも、あれだけ広いレパートリーをどれ一つとっても、高水準の演奏です。
天才だと思います・・・・・ドイツ歌曲の専門の方より余程、音楽性のある又、語学力としても
かなりのレベルでした。
そう、歌手 藤岡宣男は 挑戦し続ける歌手でした・・・・
藤岡さんは、歌の為ならば、ありとあらゆる方法にチャレンジしていました。
例えば、今流行の顔筋マッサージなど出始め直ぐに、試していました。
あれは、若返る顔の為に考案されたものですが、結局、声は顔の中の口から発せられる・・・・
そこで、不要な力や凝りなどがあっては、発声の妨げになるのです。
歌というのはこれ一つとっても、身体に悪い事が無いのです。
歌を歌うと言う事が、人間にとって極めて自然な事である証明ではないでしょうか・・・・・
姿勢・体の諸所の筋肉を整えていく事・・・・
美しくなるためには、正しく発声する事を学ぶといっても過言ではないでしょう。
そして、己の身体と対話する・・ということ・・・これはプロになるアマであるに関わらず・・・です。
身体と言う魂と心のお洋服を、ボロボロにしてしまうか・・・・美しい着物のようにするか・・・・
表面だけ手直ししても、すぐばれてしまいます・・・・・おおっこわっ
とある、レッスンの時に、
「辻さんは、今日はまず顔のマッサージを学びましょう」と言われ、
顔にマッサージクリームを塗りたくられて、顔筋マッサージをされた思い出があります。
せっかく、お化粧していたのに・・・・・と、思いつつ・・・なすがまま・・・
学ぶって・・・どこまでも広がっていくんですねっ・・・・
藤岡さんが、我が家を何度か訪ねた事があります。
ピアノ合わせとか、娘のピアノのレッスンとか、後なんでしたっけ・・・・・
お夕食を、差し上げた時に、確か
・ハンバーグ
・サラダ
・ビシソワーズスープ
・ご飯
・お手製ぬかづけ
間に合わせだったのでご馳走ではなかったけれど、喜んで食べてくださいました。
私の作ったビシソワーズスープ(ジャガイモの冷製スープ)は特に、喜んで頂いて、
お代わりしてくださったのを覚えています。
チャンチャチャチャチャチャチャ チャンチャンチャ~ン
お友やんのお料理講座の時間で~す。
玉ねぎとセロリと長ネギをみじん切りにしてオリーブオイルで炒めます。
途中で香り付けに、バターを加えます。
野菜が透き通ってきたら、水をひたひたに足して、
庭に生えている月桂樹の葉の乾燥させたものを惜しげもなく4~5枚入れます。
後、塩コショウ、コンソメを適宜入れます。
少し煮立てている間に、ジャガイモの皮を剥き、適当な大きさに切ります。
すぐ火が通るように、小さい方が良いでしょう。
月桂樹の葉の香りと野菜の煮立つ香り、バターとオリーブオイルのほのかなこうばしい香りが、
食欲をそそります。
じゃかいもを入れて火が通ったら、何回かに分けてミキサーにかけます。
後は、荒熱をとって、冷えたところで、牛乳・生クリーム・新鮮なお水を、適宜加えて、混ぜて
自分の好みの味に仕上げます。
ステキなスープ皿にとりわけて、
最後に小ネギの小口切りをパラパラっとふりかけたら出来上がり・・・・・・
暑い夏の食欲がないときに、この冷製スープは栄養満点でとても美味しく頂けます。
冷やしたお好みの白ワインと共に召し上がれ・・・・
昨夜私も自分の為に、このスープを作りました。
娘たちも大好きな一品ですが、自分の為に作ったのは初めてかな・・・
藤岡さんのお写真の前に、ステキなワイングラスについで、差し上げました。
喜んでくれるかな・・・・藤岡さんが好きだったビシソワーズスープ・・・・
暑い夏の夜、藤岡さんとの思い出に浸りながら・・・・一人、ワインをかたむけつつ頂きました。
早くも、虫の声が聞こえて、静かな夜でした・・・・
立ちのぼる高貴な香りのするお香・・・・・・藤岡さんの歌声を日本語で表現するとしたら、
こういう感じでしょうか・・・・・以前、書いた事があるかもしれないけれど、バリでガムランを
聴きました。
凄まじい音量です。ところが、聴き終わったあと、とても気持ちがよいのです。
何故だろうか・・・・?私は疑問に思いました。
ある方から新聞の切り抜きを頂きました。
ガムランの音に何があるのか・・・・・
簡単に言うと、自然の中にあるような耳には聞こえてこない音色の揺れがあるというのです。
私たちは耳だけで音を聞いていると思いがちですが、実は違います。
身体の皮膚を伝って全身で微妙で繊細な音色の揺れを感じているのです。
何が良いのか良くわからないけれど、何だか気持ちいいというのは、身体がその揺れを
好ましく思ったのです。
特に都会で生活する人間はそれを失いがちです。
何故なら、都会は人の手で作られた物ばかりであり、それを超えないのです。
人間が自然を超える事などありはしません。
太陽が何秒地球を照らさなかったら、氷河期になるのか、専門家ではないので知りませんが、
直下型地震が来たら、どんなに堅牢に作られた建物も壊れます。
地盤が無くなる訳ですから、その上がいかに立派であろうとひとたまりもありません。
そういう人間にとって怖い自然もありますが、殆どは人間を守り、恵みを与えてくれのも
自然です。
暑い太陽の下、木陰で一休みして、そよそよと頬を撫でていくそよ風の気持ちよさ
川の水の冷たさ・・・花の香り・・・美しい色・・・どれほど、私たちの心を慰めてくれるでしょか・・・
都会のクーラーとは、質が全く違いますよね・・・・
で、何を伝えたいのかと言うと・・・・
藤岡さんの歌声にはそれに近しい音色の揺れを感じたのです。
包まれるようなそして何だか気持ちのよい音色・・・・何かずっと遠くから伝わってくるような音色
とても、懐かしく、そして、とても切ない・・・・たとえようのない音色・・・・・
それが、藤岡宣男の歌声でした。