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万葉歌手、辻友子のブログへようこそ! http://tomoko.ciao.jp
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★ 雨雲の 影さへ見ゆる 隠口の

  泊瀬の川は 浦無みか 船のより来ぬ

  磯無みか 海人の釣為ぬ よしゑやし

  磯は無くとも 沖つ波 競ひ漕ぎ入来

  白水郎の釣り船

★ あまくもの かげさへみゆる こもりくの

  はつせのかわは うらなみか ふねのよりこぬ

  いそなみか あまのつりせぬ よしゑやし

  いそがなくとも おきつなみ きほひこぎりこ

  はくすいろうの つりぶね

★ 天の雲の影まで見ゆる隠国の泊瀬の川は、よい浦が

  ないからか 漁師が釣をしないまま 、ままよ

  浦はなくとも 沖の波と 争って漕ぎ入って

  沖は波と争って 漕ぎ入って 来よ、漁師の釣船よ


         巻13-3225

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★ ひとりののみの みればこひしみ かむなびの

   やまのもみぢばの たおりけるきみ

★ 一人だけで見るとあなたのことが恋しくて

  神名火の山の黄葉を手折ったことだ、あなたよ

     巻13-3224

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★かむとけの 光れる空の 九月の 時雨降れば

 雁がねも いまだ来鳴かず 神奈備の 清き御田屋の

 垣内田の 池の提の 百足らず 斎槻が枝に 端枝さす

 秋の赤葉 巻き持てる 小鈴もゆらに 手弱女に

 われはあれども 引きよぢて 峯もとををに

 ふさ手折り 吾は持ちて行く 君がかざしに

 
★かむとけの ひかれるそらの ながつきの しぐれふれば

 かりがねも いまだきなかず かむなびの きよきみたやの

 かきうちだの いけのつつみに ももたらず いつきがえに

 みづえさす  あきのもみぢは まきもてる こすずもゆらに

 たわやめに  われはあれども ひときよぢて みねもとををに

 ふさたおり われはもちてゆく きみがかざしに


★稲妻が空に光り、九月の時雨降る、雁はまだ来て鳴かない、

 神奈備のふもとに清らかな御田屋の、垣の内の田の池に

 生える、百に足りぬ斎槻の枝に端々しい枝をさしのべる

 秋の赤葉よ、その枝を、手に巻き持った小鈴もゆらゆらと

 私はたわやかな少女だけれども、引き寄せて峯のさながらに

 たくさん手折って私は持っていく。あなたのかざしのために

      巻13-3223



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★ 三緒は 人の守る山 本辺は 馬酔木花咲き

  末辺は 椿花咲く うらぐはし 山そ 泣く児守る山

★ みもろは ひとのまもるやま もとへには あしびさき

  もとへには つばきさく やまそ なくこまもるやま

  
★ 三緒は人が大切にする山。ふもとには馬酔木が花をひらく

  。いつも心打つ山よ。泣く子を守るように人々が守る山よ

       巻13-3222

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★ 冬こもり 春さりくれば 朝には 

  白露に置き 夕には 霞たなびく

  風の吹く 木末が下に 鶯鳴くも


★ ふゆこもり はるさりくれば あしたには

  しらつゆおき ゆうべに かすみたなびく

  かぜのふく  こぬれがしたに うぐひなくも


★ 冬が隠って春がやって来ると、朝には 白露が置き

  夕方には 霞たなびく。春風の吹く木末がくれには

  鶯鳴くくよ

   ・冬こもり→枕詞
    
         巻13-3221

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