★ 雨雲の 影さへ見ゆる 隠口の
泊瀬の川は 浦無みか 船のより来ぬ
磯無みか 海人の釣為ぬ よしゑやし
磯は無くとも 沖つ波 競ひ漕ぎ入来
白水郎の釣り船
★ あまくもの かげさへみゆる こもりくの
はつせのかわは うらなみか ふねのよりこぬ
いそなみか あまのつりせぬ よしゑやし
いそがなくとも おきつなみ きほひこぎりこ
はくすいろうの つりぶね
★ 天の雲の影まで見ゆる隠国の泊瀬の川は、よい浦が
ないからか 漁師が釣をしないまま 、ままよ
浦はなくとも 沖の波と 争って漕ぎ入って
沖は波と争って 漕ぎ入って 来よ、漁師の釣船よ
巻13-3225
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