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★ みもろの 神奈備山に 五百枝さし 繁に生ひたる つがの木の いや継ぎ継ぎに 玉葛
絶ゆることなく ありつつも 止まず通はむ 明日香の 旧き都は 山高み 川とほしろし
春の日は 山し見が欲し 秋の夜は 川しさやけし 朝雲に 鶴は乱れ 夕霧に かはづは騒ぐ
見るごとに 哭のみし泣かゆ 古思へば
★ みもろの かむなびやまに いほえさし しじにおひたる つがのきの いやつぎつぎに
たまかづら たゆることなく ありつつも やまずかよはむ あすかの ふるきみやこは
やまたかみ かわとほしろし はるのひは やましみがほし あきのよは
かわしさやけし あさくもに たづはみだれ ゆふぎりに かはづはさわぐ みるごとに
ねのみしなかゆ いにしへおもへば
★ 神の降臨する聖なる山に、枝をたくさん繁らせているつがの木のように、ますます次々と
美しいかづらのように、絶えることがなくあり続けて、いつまでも通い続けようと思う明日香の
古い都は 山も高く、川も雄大である。春の日は、山を見たいと思い、秋の夜は、川の清ら
かな音がして、朝の雲に、鶴が飛び乱れ、夕霧には、かはづが鳴き騒ぐ。この光景を見る
につけ、声を出して懐かしさに泣いてしまう・・・古き都を偲んで・・・・・
巻3-324 山部宿禰赤人