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★思ふどち 大夫の
木の暗に 繁き思ひを
見明らめ 情遣らむと
布勢の海に 小船連並める
真櫂懸け い漕ぎ廻れば
乎布の裏に 霞たなびき
垂姫に 藤波咲きて
浜清き 白波に騒き
しくしくに 恋は益されど
今日のみに 飽きたらめやも
かくしこそ いや毎年に
春花の 繁き盛りに
秋の葉の 黄葉の時に
あり通ひ 見つつ偲はめ
★おもふどち ますらをの
このくれに しげきおもひを
みあきらめ こころやらむと
ふせのうみに こぶねつらなめ
まかじかけ いこぎめぐれば
をふのうらに かすみたなびき
たるひめに ふじなみさきて
はまきよき しらなみさわき
しくしくに こひまされど
けふのみに あきたらめやも
かくしこそ いやまいとしに
はるはなの しげきさかりに
あきのはの もみぢのときに
ありかよひ みつつしのはめ
★ 親しい者どうし、ますらをの
お達の木の下 闇のように
繁くある物思いを 眺めてはすっきりさせ
心を晴らそうと、布勢の海に
小舟をつらね並べば 両舷に梶を
取り付けて、漕ぎ廻ると、乎布の浦には
霞たなびき、垂姫には藤波が咲き
浜も清らかに、白波が立っている。
その波のようにしきりに恋ごころは
つのるのだが、どうして今日遊びだけで
満足しよう。このようの、一層年ごとに
春は花の盛りに、秋は黄葉する時に
通いつづけて見ながら
愛でよう
大伴家持
巻19-4187
木の暗に 繁き思ひを
見明らめ 情遣らむと
布勢の海に 小船連並める
真櫂懸け い漕ぎ廻れば
乎布の裏に 霞たなびき
垂姫に 藤波咲きて
浜清き 白波に騒き
しくしくに 恋は益されど
今日のみに 飽きたらめやも
かくしこそ いや毎年に
春花の 繁き盛りに
秋の葉の 黄葉の時に
あり通ひ 見つつ偲はめ
★おもふどち ますらをの
このくれに しげきおもひを
みあきらめ こころやらむと
ふせのうみに こぶねつらなめ
まかじかけ いこぎめぐれば
をふのうらに かすみたなびき
たるひめに ふじなみさきて
はまきよき しらなみさわき
しくしくに こひまされど
けふのみに あきたらめやも
かくしこそ いやまいとしに
はるはなの しげきさかりに
あきのはの もみぢのときに
ありかよひ みつつしのはめ
★ 親しい者どうし、ますらをの
お達の木の下 闇のように
繁くある物思いを 眺めてはすっきりさせ
心を晴らそうと、布勢の海に
小舟をつらね並べば 両舷に梶を
取り付けて、漕ぎ廻ると、乎布の浦には
霞たなびき、垂姫には藤波が咲き
浜も清らかに、白波が立っている。
その波のようにしきりに恋ごころは
つのるのだが、どうして今日遊びだけで
満足しよう。このようの、一層年ごとに
春は花の盛りに、秋は黄葉する時に
通いつづけて見ながら
愛でよう
大伴家持
巻19-4187
★ うつせみは 恋を繁みと 春設けて
思ひ繁けば 引きよぢて 折も折らずも
見る毎に 情和ぎむと 繁山の
たに辺に生ふる 山振を 屋戸に引き植ゑて
朝露に にほへる花を 見る毎に
思ひは止まず 恋し繁しも
★うつせみは こひをしげみと はるまけて
おもひしげば ひきよぢて おりもおらずも
みるごとに こころなぎむと しげやまの
たにへにおふる やまぶきを やとにひきかゑて
あさつゆに にほへるはなを みるごとに
おもひはやまず こひしげしも
★現実の身には恋心が繁くあるかとて、春になると
あれこれ物を思う。そこで、引きよせて思う。
そこで、引きよせて、折ろうとも折らずとも
見るたびに心がなごむだろうと木々の繁った
山の谷間に生える山吹をわが家に移し植えて
、朝露に色美しい花を見るとそのたびに思いは止まず
かえって恋心がつのるよ
巻19-4165
思ひ繁けば 引きよぢて 折も折らずも
見る毎に 情和ぎむと 繁山の
たに辺に生ふる 山振を 屋戸に引き植ゑて
朝露に にほへる花を 見る毎に
思ひは止まず 恋し繁しも
★うつせみは こひをしげみと はるまけて
おもひしげば ひきよぢて おりもおらずも
みるごとに こころなぎむと しげやまの
たにへにおふる やまぶきを やとにひきかゑて
あさつゆに にほへるはなを みるごとに
おもひはやまず こひしげしも
★現実の身には恋心が繁くあるかとて、春になると
あれこれ物を思う。そこで、引きよせて思う。
そこで、引きよせて、折ろうとも折らずとも
見るたびに心がなごむだろうと木々の繁った
山の谷間に生える山吹をわが家に移し植えて
、朝露に色美しい花を見るとそのたびに思いは止まず
かえって恋心がつのるよ
巻19-4165