★うなはらの　ゆたけきみつつ　　あしがちる

　　なにはにとしは　　　へぬべくおもほゆ


★海原のゆたかな風景を見ながら、葦の花が散る

　難波にこそ、年月をごすべきだと思われる

　　　　　　　　　　　　　大伴家持

　　巻20－4362

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★さくらばな　　いまさかりなり　　なにはのうみ

　　　おしてるみやに　　きこしめすなへ

★桜はゆたかな風景を見ながら,葦の花が散る難波にこそ

　年月を過ごすべきだと思われる

　　　　　　　　　　　　　　　　大伴家持

　　　巻20ー4361

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★　天皇の　　遠き御代にも

　　押し照る　難波の国に

　　天の下　知らしめしきと

　　今の緒に　絶えず言ひつつ

　　懸けまくも　　あやに畏し

　　神ながら　　わが大君の

　　うちなびく　　春の初は

　　八千種に　　花さきにほひ

　　山見れば　見のともしく

　　川見れば　見のさやけく

　　物ごとに　　栄える時と

　　見し給ひ　　明らめ給ひ

　　敷ませる　　難波の宮は

　　聞く食す　　四方の国より

　　奉る　貢の船は

　　掘江より　水脈を引きしつつ

　　朝凪に　　楫引きのぼり

　　夕潮に　　棹さし下り

　　あぢ群の　騒き競ひて

　　浜に出でて　海原見れば

　　白波の　　八重折るが上に

　　海人小船　はららに浮きて

　　大御食に　仕へ奉ると

　　遠近に　　漁り釣りけり

　　そきだくも　　おぎろなきかも

　　こくばくも　　ゆたけきかも

　　ここ見れば　　うべし神代ゆ

　　始めめけらしも

★　すめろきの　　とおきみよにも

　　おしてる　　なにはのくにに

　　あめのした　　しらしめしきと

　　いまのをに　　たえずいいひつ

　　かけまくも　　あやにかしこし

　　かむながら　　わごおほきみ

　　うちなびく　　はるのはつは

　　やちくさに　　　はなさきにほひ

　　やまみれば　　みのともしく

　　かわみれば　　みのさやけく

　　ものごとに　　さかゆるときと

　　めしたまひ　　あきらめたまひ

　　しきませる　　なにわのみやは

　　きこしめす　　よものくにより

　　たてまつる　　　みつきのくには

　　ほりえより　　みをびしきつつ

　　あさばぎに　　かじひきのぼり

　　ゆふしおに　　さをさしくだり

　　あぢむらの　　さわききそひて

　　はまにいでて　　うなはらみれば

　　しらなみの　　やへおるがうへに

　　あまこぶね　　はららにうきて

　　おおみけに　　　つかへまつると

　　をちこちに　　　いざりつりけり

　　そきだきも　　　おぎろなきかも

　　こきばくも　　　ゆたけきかも

　　ここみれば　　　うべしかみよゆ

　　はじめらしけも

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★　ちくしののに　　へむかるふねの　　いつしかも　

　　　　つかへまつりて　　ほんごうに　　へむかう


★筑紫の方に　船先を向けた船はいつの日に任務を

　　果たして故郷に船先を向けるだろう

　　　　　　　　　　　　　　若麻続部羊

　　巻20－4359

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★　おほきみの　　　みことかしこみ　　　いでくれば

　　　　あのとりつきて　　　いひしこらは


★天皇の命令を畏んで出発してくると、私に

　　とりついで嘆き悲しんだあの子よ

　　　　　　　　　　　　　物部龍

　　　　巻20ー4358

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