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★ 足柄の み坂たまはり
顧みず 我は越え行く
荒し男も 立しや憚る
不破の関 越えて我行く
馬の蹄 筑紫の埼に
留まり居て 我は斎はむ
緒は 幸せと申す
帰り来までに
★ あしがらの みさかたまはり
かへりみず あれはこへいく
あらしをも たしやはばかる
ふはのせき くえてわはいく
むまのつめ つくしのさきに
ちまりいて あれはいははむ
もろもろは さけくともうす
かえりくまでに
★足柄峠を越えるのを許されて
故郷を振り返ることなく
私は越えていく。
勇敢な男の行きかねるのだろうが
その不破の関を越えて私は行く
馬のひづめを筑紫野の果てまで
すすめて、そこでやっと留まる
私はわが身を慎もう。
留守の人々はみんなが無事で祈って
来れることよ。
故郷に帰りつくまで
倭文部可良麻呂
巻20-4372
顧みず 我は越え行く
荒し男も 立しや憚る
不破の関 越えて我行く
馬の蹄 筑紫の埼に
留まり居て 我は斎はむ
緒は 幸せと申す
帰り来までに
★ あしがらの みさかたまはり
かへりみず あれはこへいく
あらしをも たしやはばかる
ふはのせき くえてわはいく
むまのつめ つくしのさきに
ちまりいて あれはいははむ
もろもろは さけくともうす
かえりくまでに
★足柄峠を越えるのを許されて
故郷を振り返ることなく
私は越えていく。
勇敢な男の行きかねるのだろうが
その不破の関を越えて私は行く
馬のひづめを筑紫野の果てまで
すすめて、そこでやっと留まる
私はわが身を慎もう。
留守の人々はみんなが無事で祈って
来れることよ。
故郷に帰りつくまで
倭文部可良麻呂
巻20-4372