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★ つのさはふ 磐余の道を 朝さらず 行きけむ人の 思ひつつ 通ひけまくは 霍公鳥
鳴く五月には 菖蒲草 花橘を 玉に貫き かづらにせむと 九月の 時雨の時は
黄葉を 折りかざさむと 延ふ葛の いや遠長く 万代に 絶えじと思ひて 通ひけむ
君をば明日ゆ 外にかも見む
★ つのさはふ いはれのみちを あささらず ゆきけむひとの おもひつつ かよひけまくは
ほととぎす なくさつきには あやめぐさ はなたちばなを たまにぬき かづらにせむと
ながつきの しぐれのときは もみぢばを おりかざさむと はふくずの いやとほながく
よろずよに たえじとおもひて かよひけむ きみをばあすゆ よそにかもみむ
★ 岩がごつごつとした、磐余の道を、毎朝のように通って行ったあなたが、あれこれと
空想しながら歩いていった事には、ホトトギスの鳴く五月には、菖蒲や橘の花を
糸に貫き通して、髪飾りにしようと、九月の長雨の時には、もみぢ葉を、折って髪に
刺そうと、延びる葛のつたのように、いっそう長く、、万代の後までも、絶やす事無く、
通ったであろうあなたの事を、明日からは、あの世の人見ることが出来るのだろうか
・・・・・・
巻3-413 山前王
あるいは、柿本人麻呂の作、もしくは添削、代作・・・とも言われている。
これは、明らかに、男性から男性への愛の歌と思います。
歴史的にみれば、不思議な事でも何でもありませんね。まず、殿方は殿方に惚れて
惚れぬいた後、女性を大切にし、愛する事が出来るのでは・・・・と、私は思います。
現代の、同性愛とは、意味合いが少し違うと思います。