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★ わがさとに おおゆきふれり おおはらの ふりにしさとに ふらまくはのち
★ 私の居る飛鳥に雪が降りましたよ。
あなたのいる大原の古い里に降るのは、もっと後の事でしょう。
天武天皇 巻2-103
西暦672年、壬申の乱で近江は全滅、9月に飛鳥にひきあげた大海人皇子は、その年の12月に
飛鳥浄御原宮に入られて天皇になります。これが天武天皇です。
この歌は、天武天皇の大勢いらっしゃる奥様の中の(殿方は羨ましいことでしょう)お一人、
藤原鎌足の娘で、藤原夫人という方に送った歌です。
藤原夫人、これに和へて(こたへて)
■ わが岡の ?に言ひて 落らしめし 雪の摧けし 其処に散りけむ
■ わがおかの おかみにいひて ふらしめし ゆきのくだけし そこにちりけむ
■ こちらの里の竜神に言いつけて降らせた雪のかけらが、そちらにちらついただけでしょう。
藤原夫人 巻2-104
慣れ親しんだ夫婦の掛け合いですね。
ふりにしさとは ふらまくがのち・・・・「ふ」が二回続いています。
リズムが感じられ、雪をわくわく感じているような表現ですね。藤原夫人をからかうような・・・
でも、藤原夫人も、さすがです。負けてはいません。
こちらの竜神に私が頼んで降らせた雪があなたのところにも、ちょこっと降っただけなのよ・・
という訳です。二人ともに余裕が感じられる歌ですね。