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★ 味ごり あやに羨しく 鳴る神の 音のみ聞きし み吉野の 真木立つ山ゆ 見降せば 川の瀬ごとに
明け暮れば 朝霧立ち 夕されば かはづ鳴くなへ 紐解かぬ 旅にしあれば 吾のみして 清き川原を
見らくし惜しも
★ うまごり あやにともしく なるかみの ねのみききし みよしのの まきたつやまゆ みおろせば
かわのせごとに あけくれば あさぎりたち ゆうされば かはづなくなへ ひもとかぬ たびにしあれば
わのみして きよきかはらを みらくしをしも
★ 織り目も美しい綾、あやしいほどに羨ましく、雷鳴の響きのように噂にばかり聞いていた、み吉野の
霊木の茂り立つ山から見下ろすと、どの川の瀬にも 夜が明けると朝霧が立ち、夕方になると蛙が鳴く。
それにつけても、紐も解かずに寝る旅の身なので、自分ひとりだけで、清い河原を見るのが残念である。
巻6-913