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万葉歌手、辻友子のブログへようこそ! http://tomoko.ciao.jp
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★ わたつみは 奇しきものか 淡路島 中に立て置きて 白波を 伊予に廻らし 居待月

  明石の門ゆは 夕されば 潮を満たしめ 明けされば 潮を干しむ 潮騒の 波を恐み

  淡路島 磯隠り居て いつしかも この夜明けむと さもらふに 寝の寝かてねば

  滝の上の 浅野の雉 明けぬとし 立ち騒くらし いざ子ども あへて漕ぎ出む 庭も静けし

                          巻3-388    作者未詳

わたつみは くすしきものか あはぢしま なかにたておきて しらなみを いよにめぐらし

ゐまちづき あかしのとゆは ゆふされば しおをみたしめ あけされば しおをひしむ

しほさゐの なみをかしこみ あはぢしま いそがくりゐて いつしかも このよのあけむと

さもらふに いのねかてねば たぎのうへの あさののきざし あけぬとし たちさわくらし

いざこども あへてこぎでむ にはもしづけし


★ 海の神は なんと霊妙なものでしょうか?淡路島を中に立て置いて、白波を伊予の国まで

 廻らして、十八夜の月も明るい明石の海峡を夕暮れともなれば、潮を満たして、夜明けに

 なれば、潮を引かせる。潮なりのする波が恐ろしいので、淡路島の磯に隠れて、早く夜が

 明けて欲しいものだと、様子を伺いながら、中々眠りに付くことが出来ずにいると、海に

 つづく滝の上の雉が、夜が明けたと立ち騒ぐ鳴声が聞える。さぁ、みんな、漕ぎ出だそう。
 
 海面も静かなことです。

                            巻3-388 作者不詳

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