万葉歌手辻友子万葉たまゆら

万葉歌手、辻友子のブログへようこそ！ http://tomoko.ciao.jp

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2025/07/07 (Mon)

正述心緒＞巻12－2900「吾妹子が　笑ひ眉引　面影に　かかりてもとな　おもほゆるかも」

★　わぎもこが　えまひまよびき　

　　おもかげに　かかりてもとな　おもほゆるかも

★　愛しいあの子の微笑みや美しい引き眉をした姿が、面影に

　　ちらついて、無性に思われてならないことです。

　　　　巻12－2900

かかりてもとな→もとな→むやみに～して、どうしようもない
　　　　　　　　　　　　思いがするの意

[0回]

2015/05/16 (Sat) 万葉たまゆら

正常心緒＞巻12－2899「なかなかに　黙然もあらましを　あづきなく　相見始めても　われは恋ふるか」

★　なかなかに　もだもあらましを　あづきなく

　　あひみそめても　われはこふるか

★　なまじ言葉をかけるよりも、黙っていればよかったものを

　　どうにもならぬまま、あなたと逢い始めてからも

　　私は恋に苦しむことです。

　　　　　　巻12－2899

　・なかなかに→中途半端に

　・あづきなく→状態がどうにもならぬ意

[0回]

2015/05/16 (Sat) 万葉たまゆら

正述心緒＞巻12－2898「独り居て　恋ふれば苦し　玉襷　かけずに忘れむ　事計もが」

★　ひとりゐて　こふればくるし　たまだすき

　　かけずにわすれむ　ことはかりもが

★　独りで居て、恋していると苦しいのです。

　　うつくしいたすきを懸けるように、心には懸けず

　　思いを忘れるような計り事が欲しいものです。

　　　　　　巻12－2898

　・　枕詞→玉襷

[0回]

2015/05/16 (Sat) 万葉たまゆら

正述心緒＞巻12－2897「いかならむ　日の時にかも　吾妹子が　裳引の姿　朝に日に見む」

★　いかならむ　ひのときにかも

　　わぎもこが　もびきのすがた　あさにひにみむ

★　どのような日のどのような時に、愛しいあの子が

　　裳裾を引いている姿を、朝にも昼にも見ることが

　　できるだろうか？

　　　　巻12－2897

[0回]

2015/05/16 (Sat) 万葉たまゆら

正述心緒＞巻12－2896「うたがたも　言ひつつもあるか　われならば　地には落らず　空に消なまし」　

★　うたがたも　いひつつもあるか　

　　われならば　つちにはふらず　そらにけなまし

★　決まったように、いい続けていらっしゃいます。

　　私ならば、地に落ちたりせずに、空に消えましょう。

　　　　巻12－2896