★　いしせのに　　あきはぎしのぎ　　うまなめて
　　
　　はつたかがりだに　　　せずやわかれむ

★石瀬野に秋の萩を折り伏せ、馬を並べて、

　最初の鷹狩りさえしないのに、別れるのでしょうか

　　　　　　　　　　　　　　大伴家持

　　巻19－4249

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★　あらたまの　　としのをながく　　あひみてし

　　　そのこころひき　　　わすらめやも

★あらたまの年月長く会って来た。その心にひかれて
　　
　その心がどうして忘れる事ができよう

　　　　　　・あらたまの→枕詞

　　　　　　　　　　巻19－4248

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★あまくもの　　そきへのきはみ　　わがもへるきみに

　　わかれるひ　　　ちかくなりぬ

★天雲の遠ざかる果てまで、私がお慕いするあなたとお別れする

　日が、近くなりました

　　　　　　　　　　　　　　　巻19－4247

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★おきつなみ　　はなみなこしそ　　きみがみふね

　　こぎかへりきて　　つにはつるまで

★沖の波も岸の波も船べりを越すな。

　君の御船が漕ぎ帰って来て港に泊まるまで

　　　　　　　　　巻19－4246

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★そらみつ　大和の国　あをによし

　奈良の都ゆ　押し照る　　難波に下り

　住吉の　御津の船乗り　直渡り

　日の居る国に　遣はさゆ　わが背の君を
　　
　懸けまくも　　ゆゆしき畏き　　住吉の

　住吉の　わが大御神　船の軸に

　領き坐し　船どもに　み立ちいまして

　さし寄らむ　磯の碕碕　漕ぎ果てむ

　泊泊に　　荒き風　　波に遇はせず

　平けく　率て帰りませ　本の国家に

★そらみつ　やまとのくに　　あをによし

　ならのみやこゆ　　おしてる　　なにわにくだり

　すみよしの　　みつのふなのり　　ただわたり

　ひのいるくにも　　つかさはゆ　　わがせのきみを
　
　かけまくも　　ゆゆしきかしこき　　すみよしの

　うしはしき　　ふねどもに　　みたちいまして

　さしよらむ　　　いそのさきざき　　こぎはてむ

　とまりとまりに　　あらきかぜ　　なみにあはせず

　たひらけく　　ゐてかえりませ　　もとのこっかに

★そらみつ大和の国のあをによし、奈良の都から押し照る

　難波の都に下り、住吉の御津で船に乗って、まっすぐに海を

　渡って日が没する国に派遣されるわが背の君を派遣される

　国するのもはばかれる、恐れ多い住吉のわが大神たちよ。

　船の先に鎮まりまし、船の後に　お立ちくださって

　船の寄る磯の碕々や、船がとまる港々に至るまで、荒い波風に

　逢わせないようにして、無事にお連れください

　　　　　　　　　　　　　巻19－4255

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