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万葉歌手、辻友子のブログへようこそ! http://tomoko.ciao.jp
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★ 青丹よし 奈良を来はなれ

  天離る ひなにはあれど

  わが背子を  見つつし居れば

  事もありしを  大君の

  命畏み   食す国

  事取り持ち手 若草の

  脚帯手装り 群鳥の

  朝立ちいなば 後れたる

  我や悲しき 旅に行く

  君かも恋ひむ 思ふそら

  安くあらねば 嘆かくも

  止めもかねて 見渡せば

  卯の花山を ほととぎす

  ねのみし泣かゆ 朝霧の

  乱るる心 言に出でて

  言はばゆゆしみ と波山

  手向けの山 幣奉り

  吾が乞う祈まく 愛しけやし

  君が正香を ま幸きくも

  あり徘徊り 月立てば

  時もかはさず 石竹花が

  花の盛りに 相見しめとそ

★ あをによし ならをきはなれ

  あまざかる ひなにはあれど

  わがせこを みつつしをれば

  おもひやる  こともありしを
 
  おおきみの  みことかしこみ

  をすくにの  こととりもちて

  わかくさの  あゆひたづくり

  むらどりの  あさだちいなば

  おくれたる  あれやかなしき

  たびにゆく  きみかもゆかむ

  おもふそら  やすくあらねば

  なげかむを  とどめもかねて

  みわせたば  うのはなやまの

  ほととぎす  ねのみしなかゆ

  あさぎりの  みだるるこころ

  ことにいでて  いはばゆゆしみ

  となみやま   たむけのかみに

  ぬさまつり   あがこひのまく

  はしけやし   きみがただかを

  まさきくも   ありたもとほり

  つくたたば  ときもかはさず

  などしこが  はなのさかりに

  あひみしめとそ


★ 青丹の 美しい奈良の都を離れて

  ここが天遠ざかるひなではあるけれど

  あなたとお逢いしていると 心が

  慰めるられることもあったが、

  今あなたは、天皇に命令を尊び

  その統治が公務に従って、若草の

  妻の結ぶ脚帯、手装うりをして

  群鳥のように 朝出発しようとしている。

  いってしまったら、残された私が悲しいだろうか

  それとも、旅ゆくあなたが方が悲しく思おうか、

  それとも、旅行くあなたの方が恋しく思うか

  あれこれと 思う我が身は安らかではないので

  この嘆きを おさえがたく外に出て

  景色を見渡すと卯の花の花の咲く山に

  鳴くほととぎすがいる。 わたしもそのように

  声をあげて泣いてしまう。朝霧がかかる。

  そのように乱れるわが心を口に出して

  いうことは憚れので。なに波山の

  峠の神に幣をささげて私は祈る
 
  愛すべきあなたが 無事旅路を往復して

  来月になったら すぐに石竹花の

  咲き誇るようなあなたのただ身から

  私に見せてください

         大伴家持

  巻17-4008
  


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