×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
PR
★ かき数ふ 二上山に
神さぶて 立てる栂の木
本も枝も 同じときはに
愛しきよし わが背の君を
朝去らず 逢ひて言問ひ
夕されば 手携はりて
射水川 清き河内に
出で立ちて わが立ち見れば
東の風 いたくし吹けば
水門には 白波高み
妻呼ぶと 洲鳥は騒く
葦刈ると 海人の小船は
入り江漕ぐ 梶の音高し
そこをしも あやにともしみ
思ひつつ 遊ぶ盛りを
天皇の 食す国なれば
命持ち 立ち別れなば
後れたる 君はあれども
玉ほこの 道行くわれは
白雲の たなびく山に
いわね踏み 越え隔たりなば
恋しけく 日の長むそ
そこ思へば 心し痛し
ほととぎす 声にあへ貫く
玉にもがが 手にまき持ちて
朝夕に 見つつ行かむを
置きて行かば無し
★ かきかざふ ふたがみやまに
かむさびて たてるつがのき
もともえも おなじときはに
はしきよし わがせのきみを
あささらず あひてことどひ
ゆうされば てたづさはりて
いみずがは きよきかふちに
いでたちて わがたちみれば
あゆのかぜ いたくしふけば
みなとには しらなみたかみ
つまよぶと すどりはさわく
あしかると あまのこぶねは
いりえこぐ かぢのおとたかし
そこをしも あやにともしみ
しのひつつ あさぶさかりを
すめろきの をすくになれば
みこともちたち わかれなば
おくれたる きみはあれども
たまほこの みちゆくわれは
しらくもの たなびくやまを
おはねふみ こえへたりなば
こひしけく ひのながむそ
そこもへば こころしいたし
ほととぎす こえにあへぬく
たまにもが てにまきもちて
あさよひに みつつゆかむを
おきてゆかばをし
★ 一、二と数えて二つ山の頂を持つ
二上山に、 神々しく生える栂の木の
根も枝もひとしく変わらないように
いつも変わらず親しく思うあなたであるものを。
朝も夜も常あっては語り合い、手を取り合って
射水川の清らかな川の清らかなほとりでたって見
ると、東の風が、強く吹くに連れて水門には
白波が高い。それに驚いて洲にいる鳥たちは
妻を呼び合って騒ぐ。また葦を刈るとて漁師の
小舟をが入江を漕いでゆく梶の音がして
高く聞こえる。その景色にそぞろひかれて
景色をめでつつ、楽しみを極めていたことだ
ところがここも天皇の支配なさる国なので
その命令によって都へと あなたと別れて
旅立つことになった。
風光美しいこの国に残るなたはともかく、
玉ほこの道を旅行く私は、白雲のたなびく山を
岩踏み越えて遠ざかりゆくと後髪をひかれ日も
長いことだろう
神さぶて 立てる栂の木
本も枝も 同じときはに
愛しきよし わが背の君を
朝去らず 逢ひて言問ひ
夕されば 手携はりて
射水川 清き河内に
出で立ちて わが立ち見れば
東の風 いたくし吹けば
水門には 白波高み
妻呼ぶと 洲鳥は騒く
葦刈ると 海人の小船は
入り江漕ぐ 梶の音高し
そこをしも あやにともしみ
思ひつつ 遊ぶ盛りを
天皇の 食す国なれば
命持ち 立ち別れなば
後れたる 君はあれども
玉ほこの 道行くわれは
白雲の たなびく山に
いわね踏み 越え隔たりなば
恋しけく 日の長むそ
そこ思へば 心し痛し
ほととぎす 声にあへ貫く
玉にもがが 手にまき持ちて
朝夕に 見つつ行かむを
置きて行かば無し
★ かきかざふ ふたがみやまに
かむさびて たてるつがのき
もともえも おなじときはに
はしきよし わがせのきみを
あささらず あひてことどひ
ゆうされば てたづさはりて
いみずがは きよきかふちに
いでたちて わがたちみれば
あゆのかぜ いたくしふけば
みなとには しらなみたかみ
つまよぶと すどりはさわく
あしかると あまのこぶねは
いりえこぐ かぢのおとたかし
そこをしも あやにともしみ
しのひつつ あさぶさかりを
すめろきの をすくになれば
みこともちたち わかれなば
おくれたる きみはあれども
たまほこの みちゆくわれは
しらくもの たなびくやまを
おはねふみ こえへたりなば
こひしけく ひのながむそ
そこもへば こころしいたし
ほととぎす こえにあへぬく
たまにもが てにまきもちて
あさよひに みつつゆかむを
おきてゆかばをし
★ 一、二と数えて二つ山の頂を持つ
二上山に、 神々しく生える栂の木の
根も枝もひとしく変わらないように
いつも変わらず親しく思うあなたであるものを。
朝も夜も常あっては語り合い、手を取り合って
射水川の清らかな川の清らかなほとりでたって見
ると、東の風が、強く吹くに連れて水門には
白波が高い。それに驚いて洲にいる鳥たちは
妻を呼び合って騒ぐ。また葦を刈るとて漁師の
小舟をが入江を漕いでゆく梶の音がして
高く聞こえる。その景色にそぞろひかれて
景色をめでつつ、楽しみを極めていたことだ
ところがここも天皇の支配なさる国なので
その命令によって都へと あなたと別れて
旅立つことになった。
風光美しいこの国に残るなたはともかく、
玉ほこの道を旅行く私は、白雲のたなびく山を
岩踏み越えて遠ざかりゆくと後髪をひかれ日も
長いことだろう