★ あをによし 奈良山を過ぎて もののふの
宇治川の渡り、少女らに 相坂山に 手向け草
ぬさ取り置きて、 吾妹子に 淡海の海の
沖つ波の 来寄る波の浜辺の くれくれと
独りそわ来る 妹が目を欲り
★ あをによし ならやまをすぎて ものふの
うじかわのわたり をとめらに あふさかやまに
たむけぐさ 幣取りおきて わぎもこに
あふみのうみの おきつなみの きよるなみのはまべの
ひとりそわくる いもがめをほり
★ 青丹よき奈良山を過ぎて、判の緒の宇治川を渡り
、少女らに逢う淡海の海の、沖の波が寄せ来る
海岸を、心も暗く一人で私は来る。
妻に 逢いたいと願いつつ
巻13-3237
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