★ たびにして ものこいしきに やましたの あけのそほふね おきにこぐみゆ
★ 旅をしていて、なんとなくもの恋しさを感じているというのに、山の下のほうに赤丹(あかに)を
塗った船を漕いで行くのが見えます。
巻3-270 高市連黒人(たけちのむらじくろひと)
繊細な表現だと思う・・・旅の旅愁に浸っている自分・・・山から下のほうの海を見る。
「あけ=赤」は明けが名詞に転成したものだというから、自分の心の暗さに対しての「赤のそ船」
の明るさである・・・・淋しい心の旅人には赤い船は目にまぶしかったのかもしれない・・・
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