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万葉歌手、辻友子のブログへようこそ! http://tomoko.ciao.jp
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うつそみの ひとにあるわれや あすよりは ふたかみやまを いろせとわがみむ

                                          大伯皇女

この世の人である私は、明日から 二上山を弟と思うことに致します

24歳で死刑になった弟、大津皇子・・・姉の大伯皇女(おおくのひめみこ)はどれほどにか悔しかった事でしょう

愛しい弟の理不尽な死・・・哀(かな)しび傷(いた)みて作りませる御歌・・・


磯の上に生ふる馬酔木を手折らめど見すべき君がありと言はなくに

いそのうえに おふるあしびを たをらめど みすべききみが ありといはなくに

岸のところに咲く馬酔木の花を手折ってあなたに見せたい・・・でも、見せるあなたはもうこの世にはいない


白くて気品のある馬酔木の花・・・大津皇子にふさわしい花だと思います。

この二首には、姉の弟への気高く深い愛情が感じられます。

何故なら、大伯皇女は伊勢の斎宮です・・男の方との交わりは許されない、そして特別の霊感を持つ方です。

そのような方がたった一人の離れて暮らしている弟の事を想う・・・そして、24歳という若さでの死を悼む・・・その辛い思いはたとえようがないものでしょう。

今も昔も理不尽な死はあるのですね

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大和には群山あれど 取りよろふ天の香具山

登り立ち国見をすれば  国原は煙立ち立つ 海原は鴎立ち立つ

うまし国そ 蜻蛉島 大和の国は     舒明天皇


やまとにはむらやまあれど とりよろふあまのかぐやま  

のぼりたちくにみをすれば くにはらはけぶりたちたつ うなはらはかもめたちたつ

うましくにそ あきづしまやまとのくには

 

大和の国にはたくさん色々な山々がありますが、その中でもあらゆるものが揃ったこのすばらしい

あまのかぐやまに、登り、国を見渡すと・・あちらこちらに煙りが立ち上っている。

湖にはゆりかもめが飛び回っている・・・なんという美しい国であろう・・大和の国は・・


私の大好きな歌の一つです。


わが国をほめる・・・・わが子をほめる・・・・最近、中々出来なくなってきたこと。

なんと素直で大らかなほめ言葉だろう・・・・清き明き直き心・・きよきあかきなおきこころ

自分も子供たちも社会も国もこのように素直に褒めたたえたら、少しは何か変わるかもしれませんね・・・

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娘がヨーロピアンピアノを弾かせてもらったそうです。

6年前、プレイエル・ザウター・べヒシュタインの中古と新品の音色の違いを聞く講習会に渋る娘と行きました。

プレイエルはショパンの愛用していたピアノです。不思議なことにプレイエルで弾くだけでショパンらしい音色に変化します。

私はべヒシュタインの響きが好きでした。

中古はつや消しだったと思います。

新品のべヒシュタインは覚えていませんが、つや有り(ヤマハのピアノのようなの)だったように記憶しています。

べヒシュタインは響きがふっとピアノから浮き上がり球状の音色を出します。

古い方は地味だけれど柔らかな音色でした。

あの頃、精神的にとても疲れていた私は古い方のべヒシュタインの音色に魅かれたことを思いだします。

今だったら・・・どうかな・・べヒシュタインは好きだけれど、新しいほうの音色のほうが好みかもしれないな・・・

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むらさきの にほへるいもを にくくあらば ひとづまゆゑに われこひめやも
                            
                                       大海人皇子(おおあまのみこ)

  おおあまのみこが、恋するぬかたのおおきみのことを歌ったものです。

これには、最初に

あかねさす紫野行き標野行き  野守は見ずや君が袖振る

あかねさす むらさきのいき しめのいき のもりはみずや きみがそでふる

                                 額田王(ぬかたのおおおきみ)

紫草の生い茂ったあなたさまの御料地を、人妻である私に向かって袖を振るあなた・・

野の番人にみつけられたらどうするのですか・・・

と、いう女性の歌に対して、後に皇太子であるおおあまのみこが答えたものです。

それに対して、なんと大胆な返歌でしょうか・・・・


実はおおあまのみこはその当時の天智天皇の弟で、額田王の元夫なのです。

元妻に、送る大胆な歌

紫草のようにあでやかに香るあなたのことがもし憎かったら、

人妻であるあなたをこんなに恋い慕うであろうか・・・・

今だと、メールで「気をつけないと、みんなが居る時に私に笑いかけたりしないほうがいいわよ」

それに対して「だって君のことが今でも好きなんだもん」

なんて調子かな・・・なぁんだ、不倫じゃん、と思うかもしれないけれど、

私が言いたいのは、恋する思いを歌に昇華させていく、万葉びとの教養の深さです。

恋・・・人はこれに悩み苦しみ傷つく・・そして、いいようのない幸福感を味わう

 

 

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藤岡さんに習い始めた初期のころ、ブライアン・アサワのCDを貸してくれました。

「僕、この人の歌をコンサートで聞いて、カウンターテナーになろうと思ったんだよ」と、言って・・・

次のレッスンの時、感想を求められたので、

「とても、上手くて、声も素敵ですね。低音部から高音部までなめらかで、完成度が高いとおもいます。でも、3曲目で飽きてしまったんです。」と、答えました。

「そうなんだよね。飽きちゃうんだよね。僕もそう思った」


飽きない・・・

これこそ、本物の定義のひとつであると私は思います。

ブライアン・アサワの歌声に飽きた藤岡宣男さんの歌声を、私は飽きることなく毎日のように聞いています。

何度聞いても飽きないから・・何度聞いても気持ちいいから・・

クラシック音楽に全く興味の無い私とは異人種のような私の娘も藤岡さんの歌は評価していました。

何故なのか・・・何故飽きないのか・・・・そこに、藤岡宣男の歌声の秘密の一つが隠されています。

 

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