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★ いもがいえも つぎてみましを やまとなる おおしまのねに いえもあらましを
★ 愛しいお前の家を、ずっと見ていたい。 大和の大島の山に、お前の家が
あればよいのになぁ
天智天皇 巻2-91
返歌
■ 秋山の 樹の下隠り 逝く水の われこそ益さめ 御思ひよりは
■ あきやまの このしたがくり ゆくみずの われこそまさめ みおもひよりは
■ 秋山の木の葉の下に隠れて流れる水のように、私の姿は見えなくても
天皇の思ってくださる思いの何倍もの心で、お慕い申し上げております。
鏡王女 巻2-92
この鏡王女の歌は以前も載せた事があります。
天智天皇のなんとはない歌より、意思のはっきりした返歌ですね。
そして、歌としても、優れています。木の葉が繁り、表からは見えないけれど、その下に
流れる川の豊かな水音が聞こえてくるようですね。彼女の思いのように・・・・・
★ たまくしげ おほみをやすみ あけていなば きみがなはあれど わがなしおしも
★ 大切な櫛を入れるしまい箱に蓋をするように、人の噂に立っていない事をいいことに
夜が明けてからお帰りになると、いつか人に知られてしまいます。
あなたはそれで宜しいかもしれませんが、わたしは困ります。
鏡王女 巻2-93
この歌は、藤原鎌足が、鏡王女の元を、夜訪ねた時に、鏡王女が、詠んだ歌です。
昔は、男の方は、好ましく思う女性の家を夜の内に訪ね、夜が明ける前に、帰るのが
慣わしでした。
返歌
■ 玉くしげ みむまど山の さなかづら さ寝づはつひに ありかつましじ
■ たまくしげ みむまどやまの さなかづら さねづはつひに ありかつましじ
■ 大切な櫛をしまうしまい箱の蓋を開けてみましょう、みむまど山のさな葛のような、共寝を
しないでいるこなど私にはできません。
藤原鎌足は意外と色好みでしょうか・・・・失礼。
「さ」・・・・さなかづら→さ寝づ・・・と続きます。
ばれちゃってもいいじゃん、幸せならば・・・・ということかしらん
★ きみがいく けながくなりぬ やまたづね むかへかいかむ まちにかまたむ
★ あなたが旅にいかれてから、随分と月日が立ちました。
山路を辿ってお迎えにまいりましょうか・・・それとも、このまま、待ち続けましょうか・・・
磐姫皇后 巻2-85
いよいよ、私の好きな相聞歌です。
お互いに歌を交し合うのです。ただし、恋人同士だけでなく、親子、友人など、様々です。
でも、何と言っても、恋の相聞歌ですよね・・・・
さて、この磐姫皇后は「激しい嫉妬の人」として、有名です。
仁徳天皇の奥様で、側室に嫉妬をした話が伝わっています。
待ちにか待たむ・・・というところなどは、確かに儚さや、可愛げというよりは、石のように動かぬ
強い思いが伝わってきますね。