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★高御座 天の日つぎと 天皇の 神の命を
聞し食す 国のまほらに 山をしも
さはに多みと 百鳥の 来居て鳴く声
春されば 聞きの悲しも いづれをか
別きてしのはむ 卯の花の 咲き月立てば
めづらしく 鳴くほととぎす 菖蒲草
珠貫くまでに 昼暮らし 夜渡し聞けど
聞くごとに 心つごきて うち嘆き
あはれの鳥と 言はぬ時なし
★高御座にあって、天日をうけつぐものとして、
天皇たる神の命がお治めになる国、この秀れた国土には
山があちこちに多いので、いろいろな鳥がやって来て鳴く
。その声は聞いていてかわいい事よ。
どの声がいいといういうのではないが、中でも卯の花の
咲く月になると、愛らしく鳴くほととぎすは、菖蒲草を
薬玉に通す五月までに、昼は一日中、夜は一晩中、
聞いても聞くたびに心が動いて感嘆し、興尽きない鳥だと
いうほかない。
大伴家持
巻11-4094
聞し食す 国のまほらに 山をしも
さはに多みと 百鳥の 来居て鳴く声
春されば 聞きの悲しも いづれをか
別きてしのはむ 卯の花の 咲き月立てば
めづらしく 鳴くほととぎす 菖蒲草
珠貫くまでに 昼暮らし 夜渡し聞けど
聞くごとに 心つごきて うち嘆き
あはれの鳥と 言はぬ時なし
★高御座にあって、天日をうけつぐものとして、
天皇たる神の命がお治めになる国、この秀れた国土には
山があちこちに多いので、いろいろな鳥がやって来て鳴く
。その声は聞いていてかわいい事よ。
どの声がいいといういうのではないが、中でも卯の花の
咲く月になると、愛らしく鳴くほととぎすは、菖蒲草を
薬玉に通す五月までに、昼は一日中、夜は一晩中、
聞いても聞くたびに心が動いて感嘆し、興尽きない鳥だと
いうほかない。
大伴家持
巻11-4094