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★ 天平二年正月十三日、師老の宅に、あつまりて、
宴会を申ぶ。時に、初春令月、気淑く風和らぐ。
梅は鏡前の粉をひらき、蘭ははいごの香を薫らす。
しかのみにあらず、曙の嶺に雲を移し、松はうすものを
掛けて蓋を傾け、夕の岫に霧結び、鳥はこめのきぬに封されて
林に迷ふ。庭に新蝶舞ひ、空に故がん帰る。ここに天を蓋にし
地を坐にし、膝を促け、さかづきを飛ばす。言を一室の裏に忘れ
衿を煙霞の外に開く。淡然として自ら放にし、快然として自ら
足る。もしかんえんにあらずは、何をもちてか情をのべむ
詩に落梅の篇を紀す。古今それ何そ異ならむ
宜しく園梅を賦して、いささかに短詠を成すべし。
★てんぴゃうにねんむつきじゅうさんにち、そちらうのいへにあつまりて
えんくわいのぶ。ときに、しょしゅんれいげつ、きよくかぜやわらぐ。
うめはきゃうぜんのこをひらき、らんははいごのかうをかをらす。
しかにもにあらず、あけぼのみねにくもをうつし、
まつはうすものをかけて きぬがさをかたぶけ、ゆふへのくきにきりむすび、
とりはこめのきぬにとざされてはやしにまとふ。にわにしんてふまひ
そらにこがんいかえる。ここにてんをきぬがさとし、ちえおしきゐにし
だざをちかづけ、さかづきをとばす。ことうぃっしつのうちにわすれ
ころものくびをえんかのそとにひらく。たんぜんとしてみずからほしきままにし
くわいぜんとしてみづからたる。
もしかんゐんにあらずは、なにをもちてかこころをのべむ。
しにらくばいのへんをしるす。ここんそれなにそことならむ
よろしくゐんばいをふして、いささかにたんえいをなすべし。
宴会を申ぶ。時に、初春令月、気淑く風和らぐ。
梅は鏡前の粉をひらき、蘭ははいごの香を薫らす。
しかのみにあらず、曙の嶺に雲を移し、松はうすものを
掛けて蓋を傾け、夕の岫に霧結び、鳥はこめのきぬに封されて
林に迷ふ。庭に新蝶舞ひ、空に故がん帰る。ここに天を蓋にし
地を坐にし、膝を促け、さかづきを飛ばす。言を一室の裏に忘れ
衿を煙霞の外に開く。淡然として自ら放にし、快然として自ら
足る。もしかんえんにあらずは、何をもちてか情をのべむ
詩に落梅の篇を紀す。古今それ何そ異ならむ
宜しく園梅を賦して、いささかに短詠を成すべし。
★てんぴゃうにねんむつきじゅうさんにち、そちらうのいへにあつまりて
えんくわいのぶ。ときに、しょしゅんれいげつ、きよくかぜやわらぐ。
うめはきゃうぜんのこをひらき、らんははいごのかうをかをらす。
しかにもにあらず、あけぼのみねにくもをうつし、
まつはうすものをかけて きぬがさをかたぶけ、ゆふへのくきにきりむすび、
とりはこめのきぬにとざされてはやしにまとふ。にわにしんてふまひ
そらにこがんいかえる。ここにてんをきぬがさとし、ちえおしきゐにし
だざをちかづけ、さかづきをとばす。ことうぃっしつのうちにわすれ
ころものくびをえんかのそとにひらく。たんぜんとしてみずからほしきままにし
くわいぜんとしてみづからたる。
もしかんゐんにあらずは、なにをもちてかこころをのべむ。
しにらくばいのへんをしるす。ここんそれなにそことならむ
よろしくゐんばいをふして、いささかにたんえいをなすべし。