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万葉歌手、辻友子のブログへようこそ! http://tomoko.ciao.jp
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★ 天照す 神も御代より 安の川
  
  中に隔てて 向ひたち

  袖振り返し 息の緒に

  嘆かす子ら 渡守

  船も設けず 橋だにも

  渡してあらば その上ゆも

  い行き渡らし 携わり

  うなはけり居て 思ほしき

  言も語らい  慰むる

  心はあらむは  何しかも

  秋にしあらべば  言問ひの

  乏しい子ら   うつせみの

  世の人われも  ここをしも

  あやに奇しみ ゆき変る

  毎年ごとに  天の原

  ふり放見つつ 言ひ継ぎにすれ

★ あまてらす  かみのみよより

  やすのかわ  なかにへだてて

  むかひたち そでふりかへし

  いきのをに  なげかすこら

  わたりもり  ふねももうけず

  わたしてあらば  そのへゆも

  いゆきわたらし  たずさはり

  うながけりいて  おもほしき

  こともかたらひ なぐさむる

  こころはあらむは なにしかも

  あきにしあらねば ことどひの

  ともしきこら  うつせみの

  よのひとわれも  ここをしも

  あやにくすしみ  ゆきかはる

  としのはごとに  あまのはら

  ふりさけみつつ 言ひ継ぎにすれ

★天照大御神の御代以来、安の川を

 中に置いて向き合い、袖を振り返して

 命にかけても嘆息をついている者たちよ

 渡し守りは、船も用意せず、橋だけで

 も渡してあるなら、その上を通って渡って

 行き、手を取り合い、心の中も語り合い

 心を慰めることがあるだろうにその橋も

  あるのに、なんとしことか、秋ではないので

 語りあう事も少ない者たち。現世の人たるわたしも

 そこをいぶかしんで、めぐり来る年ごとに

 天上を仰ぎ見つつ 語りつぐことよ

            大伴家持

  巻19-4125 

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