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★ 天離る ひなおさめにと 大君の
任のまにまに 出でて来し 吾を送ると
青丹良し 奈良山過ぎて 泉川 清き河原に
馬とどめ 別れし時に 真幸くて 吾帰り込む
平けく 斎ひて待てと 語らいて 来し日の極み
玉ほこの 道をた遠み 山川の 隔りてあれば
恋しけく 日長きものを 見まく欲り 思ふ間に
玉梓の 使のければ 嬉しみを 吾が待ち問ふに
逆言の 狂言かも 愛しきよし 汝弟命何しかも
時しはあらむを はだ薄 穂に出る秋の花
にほへる屋戸を 朝庭に 出でたちならし
夕庭の 踏み平けず 佐保の内の 里を
行き過ぎ あしひきの 山の小末に 白雲に
立ちなびくと 吾に告げる
★あまざかる ひなおさめにと おほきみの
まけのまにまに いでてこし われをおくると
あおによし ならやますぎて いずみかわ
きよきかはらに うまとどめ わかれしときに
まさきくて あかえりこむ たひらけく
いはひてまてと かたらひて こしひのきはみ
たまほこの みちをたどおみ やまかわの
へなりてあれば こひしけく たまほこの
みちをたどおみ やまかわの へなりてあれば
こひしけく けながきものを みまくほり
おもふあいだに たまづさの しのければ
うれしみと あがまちとふに およづれの
たはごとかも はしきよし なおとうとの
みことなにしかも ときしはあらむ はだすすき
ほにづるあきの はぎのはな にほへるやとを
あさにわにうちならし いでたちいならし
ゆうにわに ふみたひらけず さほのうちの
さとをいきすぎ あしひきの やまのこぬれに
しらくもに たちなびくと あれにつげる
★天遠いひなを治めるためにと、大君の任命に
随って出発して来た私を送るとて、弟は青丹美しい
奈良山を過ぎ、泉川の清らかな河原に馬をとどめて
別れた。その時、「無事に帰って来よう。元気でいて祈りながら
待っていてくれよう」と、語り合ったが、その日を最後として
玉ほこの道を遠く山川が隔たっているので、恋しく思う日も長く
逢いたいと思っている間に、玉ほこ使者が来たので
、
嬉しことと待ち受けて聞いてみると不吉なたわけごととういおうか
いとしいわが弟はどうしたこともあろうに、はだ薄が穂に出る
秋の萩の穂に出る秋の萩の花が咲きほこる家を、朝の庭に出て立つこともなく
、夕べの庭を踏み平らにすることもなく、佐保の内の里を遠ざかり
あしひきの山の梢に、白雲となって、たなびいいていると、
私に告げたことだ
大伴家持
巻17-3957
任のまにまに 出でて来し 吾を送ると
青丹良し 奈良山過ぎて 泉川 清き河原に
馬とどめ 別れし時に 真幸くて 吾帰り込む
平けく 斎ひて待てと 語らいて 来し日の極み
玉ほこの 道をた遠み 山川の 隔りてあれば
恋しけく 日長きものを 見まく欲り 思ふ間に
玉梓の 使のければ 嬉しみを 吾が待ち問ふに
逆言の 狂言かも 愛しきよし 汝弟命何しかも
時しはあらむを はだ薄 穂に出る秋の花
にほへる屋戸を 朝庭に 出でたちならし
夕庭の 踏み平けず 佐保の内の 里を
行き過ぎ あしひきの 山の小末に 白雲に
立ちなびくと 吾に告げる
★あまざかる ひなおさめにと おほきみの
まけのまにまに いでてこし われをおくると
あおによし ならやますぎて いずみかわ
きよきかはらに うまとどめ わかれしときに
まさきくて あかえりこむ たひらけく
いはひてまてと かたらひて こしひのきはみ
たまほこの みちをたどおみ やまかわの
へなりてあれば こひしけく たまほこの
みちをたどおみ やまかわの へなりてあれば
こひしけく けながきものを みまくほり
おもふあいだに たまづさの しのければ
うれしみと あがまちとふに およづれの
たはごとかも はしきよし なおとうとの
みことなにしかも ときしはあらむ はだすすき
ほにづるあきの はぎのはな にほへるやとを
あさにわにうちならし いでたちいならし
ゆうにわに ふみたひらけず さほのうちの
さとをいきすぎ あしひきの やまのこぬれに
しらくもに たちなびくと あれにつげる
★天遠いひなを治めるためにと、大君の任命に
随って出発して来た私を送るとて、弟は青丹美しい
奈良山を過ぎ、泉川の清らかな河原に馬をとどめて
別れた。その時、「無事に帰って来よう。元気でいて祈りながら
待っていてくれよう」と、語り合ったが、その日を最後として
玉ほこの道を遠く山川が隔たっているので、恋しく思う日も長く
逢いたいと思っている間に、玉ほこ使者が来たので
、
嬉しことと待ち受けて聞いてみると不吉なたわけごととういおうか
いとしいわが弟はどうしたこともあろうに、はだ薄が穂に出る
秋の萩の穂に出る秋の萩の花が咲きほこる家を、朝の庭に出て立つこともなく
、夕べの庭を踏み平らにすることもなく、佐保の内の里を遠ざかり
あしひきの山の梢に、白雲となって、たなびいいていると、
私に告げたことだ
大伴家持
巻17-3957