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万葉歌手、辻友子のブログへようこそ! http://tomoko.ciao.jp
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★ いはしろの はままつがえを ひきむすび まさきくあらば またかへりみむ

★ 磐代の浜松の枝を結び合わせて、もし幸運にも命あって帰る時があればまた、

  見ることができるだろう

                                     巻2-141  有間皇子

いよいよ、挽歌(死にまつわる歌)の登場です。

血統からいえば、有力な皇位継承権を持つ有間皇子が、

次期天皇の座を願う中大兄皇子の企みにまんまと引っかかってしまい、

19歳で絞首刑になるという、悲惨な事件の時に詠んだ歌です。


謀反の罪で、殺されるであろう自分の運命に対して、やはり生きたかったであろう思いが

強く感じられますね・・・

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★ あおごまの あがきをはやみ くもゐにそ いもがあたりを すぎてきにける

★ 白い毛並みの馬の足が速くて、雲居はるかに、妻の住んでいる家を

  行き過ぎてきてしまった事だ

                                           巻2-136  

官人のお役人が地方に移転して国庁に来たものの、帰り妻の住む里に寄れずに帰ってしまった

実際、馬の足が速すぎたわけではないと思います。何か急ぐ事情があったのでしょうが、

それを、馬の足の速さに例えたのでしょう。

妻が恋しい・・・・よいことですよね

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★ 石見の海 津の浦を無み 浦無しと 人こそ見らめ 潟無しと 人こそ見らめ よしゑやし

  浦は無くとも よしゑやし よしゑやし 潟は無くとも 勇魚取り 海辺を指して 柔田津の

  荒磯の上に か青なる 玉藻沖つ藻 明け来れば 浪こそ来寄せ 夕されば 風こそ来寄せ

  浪の共 か寄りかく寄る 玉藻なす 靡きわが宿し 敷?の 妹が手本を 露霜の 

  置きてし来れば この道の 八十隈ごとに 万度 かへり見すれど いや遠に 里放り来ぬ

  いや高に 山も越え来ぬ 愛しきやし わが嬬の児が 夏草の 思ひ萎えて 嘆くらむ

  角の里見む 靡けこの山

★ いはみのうみ つのうらをなみ うらなしと ひとこそみらめ かたなしと ひとこそみらめ

  よしゑやし うらはなくとも よしゑやし かたはなくとも いさなとり うみべをさして 

  にきたづの ありそのうえに かあおなる たまもおきつも あけくれば なみこそきよせ

  ゆうされば かぜこそきよせ なみのむた かよりかくよる たまもなす なびきわがねし

  しきたへの いもがたもとを つゆしもの おきてしくれば このみちの やそくまごとに

  よろづたび かへりみすれど いやとおに さとさかりきぬ いやたかに やまもこえきぬ

  はしきやし わがつまのこが なつくさの おもひしなえて なげくらむ つののさとみむ

  なびけこのやま

★ 石見の海には舟を寄せる良い浦が無いと、人は見るでしょう。藻を刈る遠浅の潟も無いと

  人は見るでしょう。浦が無くても、潟がなくても、それでも良いのです。

  鯨の取れるような海を目指して、和田津の荒磯の上に青々と美しく生える藻、また、

  海深く生える藻が、夜が明ければ、波が次から次と押し寄せて、夕暮れになると、

  海風も吹き寄せ、波とともに、寄り添ってくる美しい藻の様に、私に靡き寄って寝た

  愛しい妻の着物の袂を露や霜降る中に置いてきてしまった。この道中を、道の曲がり角ごとに

  何度も何度も振り返り、妻の居る里から遠く離れて来てしまいました。

  高い山も越えて・・・愛しき妻は、夏の草が萎えてしまうように、嘆いているだろう・・・・

  妻の居る里を、遠くに見ることだ。靡いてくれ・・この山よ・・・

                                      巻2-138

この長歌は、巻2-131と同じ内容の歌です。

巻2-138の方が先に作られたらしく、評判がよいので、手を加えて残されたようです。

長歌は頭でわかろうとせずに、音(おん)にして繰り返し読むうちに、

何か伝わってくるような気がします。

音の拍動や母音の響きの繰り返しなど・・・・・

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★ いはみのうみ うつたのやまの このまより わがふるそでを いもみつらむか

★ 石見の海、打歌山の木の間から、私が妻に向けて振っている袖を、貴女は見てくれていますか

これも、巻2-132より、先に作られ、長歌の反歌として詠われたものです。

山の名前が、高角山や、打歌山などと、違いますが、所在や名前ははっきりしないようです。

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★ なおもひと きみはいへども あはむとき いつとしりてか あがこひずあらむ

★ 物思いに沈んではいけないと、あなたはおっしゃいますけれど、この次逢う時を、

  いつとも知れずに恋ひ慕わずにいられましょうか・・・・ 

                                    巻2-140  柿本人麻呂の妻

現在のような夫婦生活ではなくて、単身赴任したらいつ逢えるかわからない時代です。

電話も無い・・・郵便も無い・・・一緒に生活していても、通い婚の時代・・・夫婦が恋慕って

いられる幸せな時代??かもしれませんね・・・?

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